一陸技|無線工学B|過去問
平成31年1月期 A-12
要点(wavelane の要約): 給電せずに電波の向きだけを変える金属板について、励振側からの距離による2つの形式の呼び分け、損失やひずみの少なさ、回線を組むときの注意点、利得を決める要因を5つ並べ、近い形式と遠い形式の領域の対応を取り違えた記述を選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-12 次の記述は、マイクロ波中継回線などで用いられる無給電アンテナの一種である平面反射板について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 平面反射板と入射波の波源となる励振アンテナとの距離がフラウンホーファ領域にあるものを近接形平面反射板という。 2 平面反射板は、給電線を用いないので給電線で生ずる損失がなく、ひずみの発生なども少ない。 3 平面反射板により電波通路を変えて通信回線を構成する場合、熱雑音の増加、偏波面の調整、他回線への干渉などに注意する必要がある。 4 励振アンテナに近接して平面反射板を設けて電波通路を変える場合、この複合アンテナ系の利得は、励振アンテナと平面反射板との距離、平面反射板の面積と励振アンテナの開口面積との比などで決まる。 5 遠隔形平面反射板の受信利得は、電波の入射方向より見た平面反射板の有効開口面積と使用波長で決まる。
出典: 平成31年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB101)A-12(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 1
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
給電せずに電波の向きを変える平面反射板の性質を5つ並べ、誤りを1つ選ぶ。励振アンテナの近くに置く近接形はフレネル領域にあり、フラウンホーファ領域とする記述1が誤り。
選択肢 1◎ これが答え
誤っている。励振アンテナのすぐ近く、つまりフレネル領域(放射近傍界)に置くものが近接形である。フラウンホーファ領域(遠方界)ほど離して置くものは遠隔形と呼ぶ。
選択肢 2— 答えではない
平面反射板は金属板で電波を反射するだけで給電線を持たないので、給電線の損失もひずみも生じない。正しい。
選択肢 3— 答えではない
反射板を使った回線では、反射板の分だけ損失が増えて熱雑音の比率が上がるほか、偏波面の向きや他の回線への干渉にも気を配る必要がある。正しい。
選択肢 4— 答えではない
近接形では励振アンテナと反射板をひとまとめのアンテナ系とみなし、その利得は両者の距離や、反射板と励振アンテナの開口の面積比などで決まる。正しい。
選択肢 5— 答えではない
遠隔形の反射板は受けた電波を再放射する開口として働くので、受信利得は入射方向から見た有効開口面積と波長で決まる(4πA/λ² の形)。正しい。
正答は選択肢 1 である。
つまずきやすい点
- 近接形・遠隔形の名前は励振アンテナとの距離による。近い=フレネル領域、遠い=フラウンホーファ領域、と領域の名前と結びつけて覚える。
- FB601 A-10 とまったく同じ5記述である。繰り返し出る問題なので、誤りの位置まで覚えてしまってよい。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑実効面積・近傍界・遠方界の領域・平面反射板(無給電アンテナ)
- アンテナ・電波測定の基礎実効面積・近傍界・遠方界の領域
- アンテナ利得実効面積