本文へ移動
wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

平成30年7月期 A-7

要点(wavelane の要約): 導体の表面から電磁界が入り込む深さの定義に使う減衰の割合、導電率の大小と深さの関係、深さと導体内の減衰の速さの関係を一つの組合せで答えさせる問題。深さと減衰定数が逆数の関係にあることが要になる。

FB007 A-75点(1問1採点)

原文(公式問題文)

A-7 次の記述は、平面波が有限な導電率の導体中へ浸透する深さを表す表皮厚さ(深さ)について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、平面波はマイクロ波とし、e を自然対数の底とする。 (1) 表皮厚さは、導体表面の電磁界強度が[ A ]に減衰するときの導体表面からの距離をいう。 (2) 表皮厚さは、導体の導電率が[ B ]なるほど薄くなる。 (3) 表皮厚さが[ C ]なるほど、減衰定数は小さくなる。   A    B    C 1 1/(2e)  小さく  薄く 2 1/(2e)  小さく  厚く 3 1/(2e)  大きく  薄く 4 1/e    大きく  厚く 5 1/e    小さく  薄く

出典: 平成30年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB007)A-7(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

正しい組合せの番号を1つ選ぶ(番号は上の原文の選択肢に対応します)
解かずに正答と解説を見る

正答: 4

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

表皮厚さは表面の電磁界が1/eまで減る深さで、導電率が大きいほど薄くなる。減衰定数は表皮厚さの逆数なので、表皮厚さが厚いほど減衰定数は小さい。

空欄 A: 1/e
導体内の電磁界は表面から指数関数的に減り、e^(−z/δ) と書ける。z = δ のとき1/eになるので、この深さを表皮厚さと定義する。
空欄 B: 大きく
表皮厚さは δ = √(2/(ωμσ)) で、導電率 σ の平方根に反比例する。導電率が大きいほど電流は表面近くに集まり、薄くなる。
空欄 C: 厚く
減衰定数 α は 1/δ に等しい。表皮厚さが厚いほど電磁界はゆっくり減るので、減衰定数は小さくなる。

この組合せになっているのは選択肢 4 である。

つまずきやすい点

  • 1/(2e) は定義に無い値である。電力で考えると1/e²になるが、これも選択肢の 1/(2e) とは違う。
  • 周波数が高いほど薄くなることと、導電率が大きいほど薄くなることは同じ式から出る。どちらも根号の中の積が大きくなる向きである。