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wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

平成29年7月期 B-5

要点(wavelane の要約): 大きな円形開口の中心と縁から小さなアンテナまでの距離の差を近似し、その位相差で2つの等しい電界を合成したときの目減りから、誤差を約2%に抑える最小の測定距離を導く過程を語群から選ばせる問題。半角の余弦の公式で合成の大きさを書き直す。

FB907 B-55点(ア〜オ 各1点)

原文(公式問題文)

B-5 次の記述は、アンテナ利得などの測定において、送信又は受信アンテナの一方の開口の大きさが波長に比べて大きいときの測定距離について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、任意の角度を α とすれば、cos(α/2) = ±√((1 + cos α)/2) であり、三角形 ABC の頂角を A、B、C とし、その対辺の長さをそれぞれ a、b、c とすれば、a² = b² + c² - 2bc cos A の関係がある。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) 図 1 に示すように、アンテナ間の測定距離を L〔m〕、寸法が大きい方の円形開口面アンテナ 1 の直径を D〔m〕、その縁 P から小さい方のアンテナ 2 までの距離を L′〔m〕とすれば、L と L′ の距離の差 ΔL は、次式で表される。ただし、L > D とし、アンテナ 2 の大きさは無視できるものとする。  ΔL = L′ - L = [ ア ] - L   ≒ L{1 + (1/2)(D/(2L))²} - L = D²/(8L)〔m〕 ・・・・・・①  波長を λ〔m〕とすれば、ΔL による電波の位相差 Δθ は、次式となる。  Δθ = [ イ ]〔rad〕 ・・・・・・② (2) アンテナ 1 の中心からの電波の電界強度 Ė0〔V/m〕とその縁からの電波の電界強度 Ė0′〔V/m〕は、アンテナ 2 の点において、その大きさが等しく位相のみが異なるものとし、その大きさをいずれも E0〔V/m〕とすれば、Ė0 と Ė0′ との間に位相差がないときの受信点での合成電界強度の大きさ E〔V/m〕は、[ ウ ]〔V/m〕である。また、位相差が Δθ のときの合成電界強度 Ė′ の大きさ E′ は、図 2 のベクトル図から、次式で表される。  E′ = [ エ ] = [ ウ ] × cos(Δθ/2)〔V/m〕 ・・・・・・③  したがって、次式が得られる。  E′/E = cos(Δθ/2) ・・・・・・④ (3) 式④へ Δθ = π/8〔rad〕を代入すると、E′/E ≒ 0.98 となり、誤差は約 2〔%〕となる。したがって、誤差が約 2〔%〕以下となる最小の測定距離 Lmin は、式②から次式となる。  Lmin = [ オ ]〔m〕

〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。

1 √(L² + D²)    2 πD²/(8λL) 3 2E0  4 √2E0√(1 + cos Δθ) 5 2D²/λ 6 √(L² + (D/2)²)  7 πD²/(4λL) 8 √2E0 9 √2E0√(1 - cos Δθ) 10 D²/λ

〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。

Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)

図の説明(Wavelane 独自・原文には含まれません): 図1は直径 D の円形開口面アンテナ1と、中心軸上に離れて置いたアンテナ2。アンテナ1の中心からアンテナ2までが L、開口の縁 P からアンテナ2までが L′ で、L′ のうち L を超える分を ΔL と記している。図2はベクトル図で、大きさの等しい Ė0 と Ė0′ が角 Δθ をなし、両者を2辺とする平行四辺形の対角線が合成電界 Ė′ である。

出典: 平成29年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB907)B-5(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

ア〜オそれぞれに入る語を、上の原文の語群番号から選ぶ
ア
イ
ウ
エ
オ
解かずに正答と解説を見る

正答: ア 6/イ 7/ウ 3/エ 4/オ 5

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

開口の中心と縁からの距離の差 D²/(8L) を位相差へ直し、2つの等しい電界の合成が cos(Δθ/2) 倍に目減りすることから、誤差約2%の位相差 π/8 を満たす距離を出す。

ア: 解答 6(√(L² + (D/2)²))
縁 P は中心から D/2 だけ離れているので、三平方の定理で L′ は L と D/2 を2辺とする直角三角形の斜辺になる。D をそのまま使うと直径と半径を取り違える。
イ: 解答 7(πD²/(4λL))
距離の差に 2π/λ を掛けると位相差になる。2π × D²/(8L) ÷ λ = πD²/(4λL) である。
ウ: 解答 3(2E0)
大きさ E0 の電界が同じ位相で重なれば、単純に足して 2E0 になる。
エ: 解答 4(√2E0√(1 + cos Δθ))
図2の平行四辺形で、対角線の長さを余弦定理で求めると 2E0² + 2E0²cosΔθ の平方根になる。2辺のなす角が Δθ なので、余弦の項の符号は正である。
オ: 解答 5(2D²/λ)
イ の位相差を π/8 と置くと、πD²/(4λL) = π/8 から L = 2D²/λ が得られる。これが遠方界の目安として知られる距離である。

ア〜オの解答は 6・7・3・4・5 である。

つまずきやすい点

  • 余弦定理は三角形の内角で書く。平行四辺形の対角線を出すときは、内角が π − Δθ になるので符号が反転し、1 + cos Δθ の形になる。
  • D²/λ は位相差を π/4 まで許した場合の値で、誤差が大きくなる。