一陸技|無線工学B|過去問
平成29年7月期 B-4
要点(wavelane の要約): 地上と衛星を結ぶ回線について、晴天の大気による減衰と仰角の関係、屈折率の揺らぎによる変動、雨による吸収が生む雑音、電離圏での短周期の変動、電離圏の屈折率と周波数の関係を、記述ごとに正誤で答えさせる問題。
FB907 B-45点(ア〜オ 各1点)
原文(公式問題文)
B-4 次の記述は、地上と衛星間の電波伝搬における対流圏及び電離圏の影響について述べたものである。このうち正しいものを 1、誤っているものを 2 として解答せよ。 ア 大気による減衰は、晴天時の水滴を含まない大気の場合には衛星の仰角が低いほど小さくなる。 イ 大気の屈折率は、常時変動しているので電波の到来方向もそれに応じて変動し、シンチレーションの原因となる。 ウ 降雨時、雨滴による電波の吸収減衰により熱雑音が発生する。 エ 電波が電離圏を通過する際、その振幅、位相などに短周期の不規則な変動を生ずる場合があり、これを電離圏シンチレーションという。 オ 電離圏の屈折率は、周波数が低くなると1に近づく。
出典: 平成29年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB907)B-4(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: ア 2/イ 1/ウ 1/エ 1/オ 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
衛星回線での大気と電離圏の影響を5つ並べ、記述ごとに正誤を答える。仰角が低いほど大気の中を長く通ることと、電離圏の屈折率が1へ近づくのは周波数が高いときであることが分かれ目になる。
- ア: 解答 2(誤っている)
- 誤っている。仰角が低いほど電波は大気層を斜めに長く通るので、晴天でも酸素や水蒸気による吸収は大きくなる。
- イ: 解答 1(正しい)
- 正しい。対流圏の屈折率は温度や湿度のむらで絶えず揺らいでいて、到来方向や振幅が細かく変わる。これが対流圏シンチレーションである。
- ウ: 解答 1(正しい)
- 正しい。電波を吸収する媒質は、同じ割合で熱雑音も放射する。雨で減衰が増えると、受信系の雑音温度も上がる。
- エ: 解答 1(正しい)
- 正しい。電離圏の電子密度のむらを通ると、振幅や位相が短い周期で不規則に変わる。これを電離圏シンチレーションと呼ぶ。
- オ: 解答 2(誤っている)
- 誤っている。屈折率は √(1 − 81N/f²) なので、周波数が高いほど 1 に近づく。周波数が低いと屈折率は小さくなり、やがて反射される。
ア〜オの解答は 2・1・1・1・2 である。
つまずきやすい点
- 減衰は「通る距離×単位距離あたりの減衰」で決まる。仰角が低い=通る距離が長い、と結びつける。
- 電離圏の影響は周波数が高いほど小さい。衛星通信にマイクロ波を使う理由の1つである。
理由から確かめる
- 伝搬の特論大気ガスによる吸収・減衰・電子密度・電離層内の屈折・反射・降雨減衰・屈折率・地上・衛星間回線・シンチレーション
- 電離層伝搬(MUF・跳躍距離)電子密度・電離層内の屈折・反射・屈折率
- 電波の見通し距離屈折率