一陸技|無線工学B|過去問
平成29年7月期 B-2
要点(wavelane の要約): 接地板の上に薄い誘電体と細い導体の帯を重ねた線路について、誘電体の材料、放射を抑えるための誘電率の大小、扱うモード、特性インピーダンスを小さくする寸法比と誘電率の向きを語群から選ばせる問題。
原文(公式問題文)
B-2 次の記述は、図に示すマイクロストリップ線路について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。 (1) 接地導体基板の上に[ ア ]やフッ素樹脂などの厚さの薄い誘電体基板を密着させ、その上に幅が狭く厚さの薄いストリップ導体を密着させて線路を構成したものである。 (2) 本線路は、開放線路の一種であり、外部雑音の影響や放射損がある。放射損を少なくするために、比誘電率[ イ ]誘電体基板を用いる。 (3) 伝送モードは、通常、ほぼ[ ウ ]モードとして扱うことができる。 (4) 特性インピーダンスは、ストリップ導体の幅を w、誘電体基板の厚さを d、誘電体基板の比誘電率を εr とすると、[ エ ]が大きいほど、また εr が[ オ ]、小さくなる。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 アルミナ 2 の小さい 3 TE11 4 w/d 5 小さいほど 6 フェライト 7 の大きい 8 TEM 9 d/w 10 大きいほど
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 平成29年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB907)B-2(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 1/イ 7/ウ 8/エ 4/オ 10
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
接地板・誘電体基板・ストリップ導体の3層でできた線路の材料・放射損の抑え方・伝送モード・特性インピーダンスの増減を語群から選ぶ。幅を広げると容量が増えて特性インピーダンスが下がる、という見方が鍵になる。
- ア: 解答 1(アルミナ)
- 基板には損失が小さく誘電率の安定したアルミナ(酸化アルミニウムのセラミック)やフッ素樹脂を使う。フェライトは磁性体で、線路の基板材料ではない。
- イ: 解答 7(の大きい)
- 誘電率の大きい基板を使うと、電磁界が基板の中へ強く引き込まれ、上の空間へ漏れて放射される分が減る。
- ウ: 解答 8(TEM)
- 電磁界が誘電体と空気にまたがるので厳密なTEMではないが、ほぼTEMモード(準TEM)として扱える。
- エ: 解答 4(w/d)
- ストリップと接地板を平行平板のコンデンサとみると、幅 w が広く厚さ d が薄いほど容量が大きく、特性インピーダンスは小さい。比は w/d である。
- オ: 解答 10(大きいほど)
- 誘電率が大きいほど単位長あたりの容量が大きくなり、特性インピーダンスは小さくなる。
ア〜オの解答は 1・7・8・4・10 である。
つまずきやすい点
- d/w と w/d の取り違えが最も多い。幅を広げたら容量が増える、と描像で確かめる。
- 特性インピーダンスは √(L/C) なので、容量が増える変化はどれも特性インピーダンスを下げる向きに働く。
理由から確かめる
- 給電線と整合回路特性インピーダンス・マイクロストリップ線路・比誘電率・TEM波
- アンテナ・電波測定の基礎特性インピーダンス・比誘電率
- 複素数と複素インピーダンス 徹底入門特性インピーダンス