一陸技|無線工学B|過去問
平成29年7月期 A-6
要点(wavelane の要約): 両端を短絡した平行2線の途中に端子を取り、左右の長さの和が半波長のときに端子から見たインピーダンスを求めさせる問題。左右の短絡線路を並列に見ると、正接の値が符号だけ逆になることが決め手になる。
原文(公式問題文)
A-6 図に示す無損失の平行二線式給電線の点 a b 間のインピーダンス Zab の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、給電線の特性インピーダンスを Z0〔Ω〕、波長を λ〔m〕とする。また、給電線の長さ l1〔m〕、l2〔m〕の間には、l1+l2 = λ/2〔m〕の関係式が成り立ち、l1 ≠ 0、l2 ≠ 0 とする。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 0〔Ω〕 2 Z0/4〔Ω〕 3 Z0/2〔Ω〕 4 2Z0〔Ω〕 5 ∞〔Ω〕
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 平成29年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB907)A-6(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 5
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
端子から左右を見ると、先端を短絡した線路が2本並列に入っている。2本の長さの和が半波長なので、両者のリアクタンスは大きさが同じで符号が逆になる。
- 手順1無損失の短絡線路の入力インピーダンスは純リアクタンスで、電気長の正接に比例する。
- 手順2β = 2π/λ なので、長さの和が半波長なら電気長の和は π rad になる。
- 手順3正接は π の周期を持つので、片方は他方の符号を変えた値になる。
- 手順4並列合成の分母が 0 になるので、端子から見たインピーダンスは限りなく大きくなる。並列共振の状態である。
求める値は ∞〔Ω〕(並列合成の分母が 0 になる)。したがって正答は選択肢 5 である。
つまずきやすい点
- 両端が短絡されていても端子間が直接つながっているわけではない。0 Ω(選択肢1)は線路の長さを無視した誤りである。
- 長さの和が1波長の場合(FB601 の同型問題)でも、正接の周期が π なので結論は同じになる。
- 答えに Z0 は残らない。Z0 の定数倍を選ぶのは、2本が打ち消し合う構造を見落とした形である。
理由から確かめる
- 給電線と整合回路特性インピーダンス・入力インピーダンス・短絡給電線(短絡スタブ)の入力インピーダンス・給電線・伝送線路
- VSWR・反射係数特性インピーダンス・入力インピーダンス・給電線・伝送線路
- 複素数と複素インピーダンス 徹底入門特性インピーダンス・入力インピーダンス