一陸技|無線工学B|過去問
平成29年7月期 A-3
要点(wavelane の要約): 短い電流素子の受信面積と利得を出発点に、利得の定義(等方性アンテナとの面積比)を使って任意の利得の受信面積の式を組み立てる手順を組合せで答えさせる問題。素子の面積の係数と利得の値、最後の分母が分かれ目になる。
原文(公式問題文)
A-3 次の記述は、絶対利得が G(真数)のアンテナの実効面積を表す式を求める過程について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 微小ダイポールの実効面積 Ss は、波長を λ〔m〕とすると、次式で表される。 Ss = [ A ]〔m²〕 (2) 一方、実効面積が S〔m²〕のアンテナの絶対利得 G(真数)は、等方性アンテナの実効面積を Si〔m²〕とすると、次式で定義されている。 G = S/Si (3) また、微小ダイポールの絶対利得 Gs(真数)は、次式で与えられる。 Gs = [ B ] (4) したがって、絶対利得が G(真数)のアンテナの実効面積 S は、次式で与えられる。 S = [ C ]〔m²〕 A B C 1 3λ²/(4π) 3/2 Gλ²/(2π) 2 3λ²/(4π) 1/2 Gλ²/(4π) 3 3λ²/(8π) 3/2 Gλ²/(2π) 4 3λ²/(8π) 3/2 Gλ²/(4π) 5 3λ²/(8π) 1/2 Gλ²/(2π)
出典: 平成29年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB907)A-3(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 4
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
微小ダイポールの実効面積 3λ²/(8π) と利得 3/2 から、等方性アンテナの実効面積 λ²/(4π) を出し、任意の利得のアンテナの実効面積をその G 倍として組み立てる。
- 空欄 A: 3λ²/(8π)
- 微小ダイポールに整合した負荷をつないだときの受信電力を電力束密度で割ると 3λ²/(8π)、およそ 0.12λ² になる。4π で割った候補はこの2倍で、等方性アンテナの値とも合わない。
- 空欄 B: 3/2
- 微小ダイポールの指向性は sin θ の形で、最大方向の電力密度は等方性アンテナの 1.5 倍になる。1/2 では等方性より弱くなってしまう。
- 空欄 C: Gλ²/(4π)
- 等方性アンテナの実効面積は Ss/Gs = (3λ²/(8π))/(3/2) = λ²/(4π) である。利得の定義から、実効面積はこの G 倍になる。
この組合せになっているのは選択肢 4 である。
つまずきやすい点
- A の分母は 8π、C の分母は 4π である。2つを混同すると選択肢3や1に誘導される。
- C は B で A を割って出る。B を 1/2 にすると C の分母が 8π/3 のような形になり、どの候補にも合わない。
理由から確かめる
- アンテナ利得アンテナ利得・実効面積・微小ダイポール・等方性アンテナ
- アンテナ方式図鑑アンテナ利得・実効面積・微小ダイポール・等方性アンテナ
- アンテナの指向性パターンアンテナ利得・微小ダイポール・等方性アンテナ