一陸技|無線工学B|過去問
平成29年1月期 A-19
要点(wavelane の要約): 不平衡の測定器で平衡給電の素子を測るときに生じる誤差と、地板の上に半分だけ作って測る代替法、そのとき読み値が自由空間の値の何倍になるかを答えさせる問題。
原文(公式問題文)
A-19 次の記述は、平衡給電のアンテナの入力インピーダンス測定法について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 一般にネットワークアナライザは不平衡系であり、ネットワークアナライザで[ A ]アンテナのような平衡給電のアンテナのインピーダンスを測定する場合、付属の不平衡ケーブルを直接接続するとアンテナ上で電流の不平衡が生じ、測定ケーブルに漏洩電流が流れて誤差を生ずる。このためバランを用いて対応しているが、バランの周波数特性により適用範囲が限定されたり、その効果を定量的に把握するのが難しいので、バランを測定周波数帯毎に変えて繰り返し測定する必要がある。 (2) バランを用いないで測定する場合は、測定するアンテナを地板の上に構成すればよい。図 1 に示す給電点で対称な構造をもつ方形ループアンテナの場合は、図 2 に示すように、図 1 の方形ループアンテナの縦方向の長さ l〔m〕の上半分(l/2)を地板の上に設置すれば、地板の[ B ]効果を利用して測定できる。この状態で測定したインピーダンスは、自由空間に方形ループアンテナがある場合の測定値の[ C ]倍になる。ただし、地板の半径 r〔m〕を測定するアンテナの大きさの少なくとも 2 波長以上にする。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C 1 半波長ダイポール イメージ(影像) 1/2 2 半波長ダイポール イメージ(影像) 2 3 半波長ダイポール 回折 2 4 J 形 イメージ(影像) 1/4 5 J 形 回折 1/2
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 平成29年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB901)A-19(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 1
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
不平衡のネットワークアナライザで平衡給電のアンテナを直接測ると、ケーブルに漏れ電流が流れる。地板の上に半分だけ立てると影像が残り半分の役をするので、平衡にせずに測れるが、読み値は自由空間の値の半分になる。
- 空欄 A: 半波長ダイポール
- 給電点の両側が対称な半波長ダイポールは平衡給電の代表である。J 形アンテナは選択肢の中で平衡給電の代表ではない側に置かれている。
- 空欄 B: イメージ(影像)
- 十分広い導体の地板は鏡の役をし、地板の上の半分の構造に対して下側に影像を作る。上半分と影像で元のループと同じ電流分布になる。
- 空欄 C: 1/2
- 半分の構造では、同じ電流を流すのに必要な電圧が半分になる。地板の上で測ったインピーダンスは、自由空間に全体を置いたときの値の1/2である。
この組合せになっているのは選択肢 1 である。
つまずきやすい点
- FB807 A-20 は同じ題材で、選択肢の中に 2 と 1/2 の両方がある。地板上の測定値は自由空間の半分で、自由空間の値はその2倍、と向きを確かめる。
理由から確かめる
- アンテナ・電波測定の基礎バラン(平衡不平衡変換器)・イメージ(影像)効果・入力インピーダンス・ネットワークアナライザ
- アンテナの基礎イメージ(影像)効果・入力インピーダンス
- アンテナ方式図鑑イメージ(影像)効果・入力インピーダンス