一陸技|無線工学B|過去問
令和8年1月期 A-13
要点(wavelane の要約): レンズを通る経路と通らない経路の到達時間を等しく置き、屈折率を使ってレンズ面の形を決める式を導く過程を追わせる穴埋め問題。
原文(公式問題文)
A-13 次の記述は、図に示す誘電体レンズの波源 O から誘電体上の点 P までの距離を求める式の算出について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、中心線 R'F の延長線上の O からレンズ面上の点 F 及び点 P までの距離を、それぞれ l〔m〕及び r〔m〕とし、OF と OP のなす角度を θ〔°〕とする。 (1) 自由空間の伝搬速度を Vo〔m/s〕、誘電体中の伝搬速度を Vd〔m/s〕とすれば、O から発射された電波が点 R と点 R' に到達する時間は等しくなければならないので、次式が成り立つ。 l/Vo + [ A ] = r/Vo〔s〕・・・① (2) 誘電体レンズの屈折率を n とすれば、次式の関係がある。 n = [ B ] ・・・② したがって、式②を式①に代入すれば、r は次式となる。 r = [ C ]〔m〕
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C 1 (r cosθ + l)/Vd Vd/Vo (n-1)l/(n - cosθ) 2 (r cosθ + l)/Vd Vo/Vd (n+1)l/(1 - n cosθ) 3 (r cosθ - l)/Vd Vd/Vo (n-1)l/(n - cosθ) 4 (r cosθ - l)/Vd Vd/Vo (n+1)l/(n cosθ - 1) 5 (r cosθ - l)/Vd Vo/Vd (n-1)l/(n cosθ - 1)
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和8年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB801)A-13(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 5
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
誘電体レンズの面の形を決める式を導く。中心を通る線と斜めの線で、波源から平面波になるまでの所要時間が等しいと置く。
- 空欄 A: (r cosθ − l)/Vd
- 中心を通る経路は、レンズの中を余分に進む。その余分な長さは、斜めの経路の中心線方向の成分から中心までの距離を引いたものになる。引き算の向きを逆にすると符号が合わない。
- 空欄 B: Vo/Vd
- 屈折率は自由空間の速さを媒質中の速さで割ったもので、1より大きい。逆に取ると1より小さくなり、レンズとして働かなくなる。
- 空欄 C: (n−1)l/(n cosθ − 1)
- ①へ②を入れて整理する。両辺に Vo を掛けると l + n(r cosθ − l) = r となり、r について解くと分子に (n−1)l、分母に (n cosθ − 1) が残る。θ = 0 を入れると r = l に戻ることでも確かめられる。
この組合せになっているのは選択肢 5 である。
つまずきやすい点
- 屈折率は Vo/Vd(1より大きい)。Vd/Vo と取り違えると以降の式がすべてずれる。
- 導いた式は θ = 0 で r = l にならなければならない。選択肢の検算にそのまま使える。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑誘電体レンズアンテナ・平面波・屈折率
- マクスウェルの方程式 徹底解説平面波・屈折率
- アンテナ・電波測定の基礎平面波