一陸技|無線工学B|過去問
令和8年1月期 A-8
要点(wavelane の要約): 線路の入力インピーダンス式に長さ λ/4 を代入し、変成器の特性インピーダンスが両端の相乗平均になることを段階的に導かせる穴埋め問題。
原文(公式問題文)
A-8 次の記述は、1/4 波長整合回路の整合条件について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、波長を λ〔m〕とし、給電線は無損失とする。 (1) 図に示すように、特性インピーダンス Z0〔Ω〕の給電線と負荷抵抗 R〔Ω〕とを、長さが l〔m〕、特性インピーダンスが Z〔Ω〕の整合用給電線で接続したとき、給電線の接続点 P から負荷側を見たインピーダンス Zx〔Ω〕は、位相定数を β〔rad/m〕とすれば、次式で表される。 Zx = Z ×([ A ])〔Ω〕・・・・・・① (2) 1/4 波長整合回路では、l = λ/4〔m〕であるから、βl は、次式となる。 βl = [ B ]〔rad〕 ・・・・・・② (3) 式②を式①へ代入すれば、次式が得られる。 Zx = [ C ]〔Ω〕 (4) 整合条件を満たすための整合用給電線の特性インピーダンス Z〔Ω〕は、次式で与えられる。 Z = [ D ]〔Ω〕
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C D 1 (R cosβl + jZ sinβl)/(Z cosβl + jR sinβl) π/2 Z²/R (Z0 + R)/2 2 (R cosβl + jZ sinβl)/(Z cosβl + jR sinβl) π/2 Z²/R √(Z0R) 3 (R cosβl + jZ sinβl)/(Z cosβl + jR sinβl) π/4 ZR/(Z + R) (Z0 + R)/2 4 (Z cosβl + jR sinβl)/(R cosβl + jZ sinβl) π/4 ZR/(Z + R) √(Z0R) 5 (Z cosβl + jR sinβl)/(R cosβl + jZ sinβl) π/2 Z²/R (Z0 + R)/2
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和8年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB801)A-8(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
1/4波長整合回路の条件を4段で導く。線路上のインピーダンスの式へ βl = π/2 を代入すると、一気に簡単な形になる。
- 空欄 A: (R cosβl + jZ sinβl)/(Z cosβl + jR sinβl)
- 接続点から負荷側を見る式なので、分子が負荷抵抗から始まる形になる。分子と分母を入れ替えた選択肢は、線路と負荷の役割が逆になっている。
- 空欄 B: π/2
- 位相定数は β = 2π/λ なので、長さ λ/4 を掛けると π/2 になる。π/4 は 1/8 波長のときの値である。
- 空欄 C: Z²/R
- βl = π/2 では cos が 0、sin が 1 になるので、A の式から実部が消えて Z×(jZ)/(jR) が残る。j も約分されて Z²/R になる。
- 空欄 D: √(Z0R)
- 整合するとは Zx が給電線の特性インピーダンスに等しいということなので、Z²/R = Z0 を Z について解く。2つの抵抗の幾何平均になる。
この組合せになっているのは選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- βl = (2π/λ)×(λ/4) = π/2。長さと位相を混同して π/4 としない。
- 整合用線路の特性インピーダンスは幾何平均 √(Z0R) であって算術平均 (Z0+R)/2 ではない。