一陸技|無線工学B|過去問
令和7年7月期 A-17
要点(wavelane の要約): 静止衛星までの距離と周波数から伝送損を出し、送信電力・受信側の利得・受信入力レベルの差し引きで送信側の利得を逆算させる計算問題。すべてdBで足し引きできる形へ直せるかが問われる。
FB707 A-175点(1問1採点)
原文(公式問題文)
A-17 周波数 10〔GHz〕の電波を用いて地球局から 300〔W〕の出力で、対地静止衛星の人工衛星局へ送信したとき、絶対利得が 30〔dB〕のアンテナを用いた人工衛星局の受信機入力が -90〔dBW〕であった。このときの地球局のアンテナの絶対利得の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、給電系の損失及び大気による損失は無視するものとし、静止衛星と地球局との距離を 36,000〔km〕とする。また、log102 = 0.3 及び log103 = 0.5 とする。 1 60〔dB〕 2 65〔dB〕 3 70〔dB〕 4 75〔dB〕 5 80〔dB〕
出典: 令和7年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB707)A-17(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 1
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wavelane の解説(公式の解説ではありません)
静止衛星までの距離と周波数から伝送損を出し、送信電力・受信側の利得・受信入力の差し引きで送信側の利得を逆算する。すべてデシベルの足し引きに直せる。
- 手順1波長と距離を同じ単位でそろえる。10 GHz なので波長は 0.03 m、距離は 3.6×10⁷ m である。距離を波長で測った値が 1.2×10⁹ になる。
- 手順2自由空間基本伝送損は、距離を波長で測った値を 4π 倍した量の2乗にあたる電力比である。与えられた対数の値で足せるよう、4π を 4 と 3 の積とみなす。
- 手順3括弧の中の対数を分解する。1.44 は 1.2 の2乗で、1.2 は 12 を 10 で割った値だから、与えられた 2 と 3 の対数だけで書ける。
- 手順4送信電力をデシベルへ直し、回線収支を1行で書いて送信側の利得について解く。
求める値は 59 dB(選択肢の 60 dB)。したがって正答は選択肢 1 である。
つまずきやすい点
- 受信入力はワットを基準にしたデシベルである。ミリワット基準と混ぜると 30 デシベルずれる。
- 距離は km を m へ直してから波長で割る。km のままだと 60 デシベル小さく出る。
- 与えられているのは 2 と 3 の対数だけである。4π を 12 とみなす読み替えが前提になっていることに気づけば、暗算で進められる。