本文へ移動
wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

令和7年7月期 A-16

要点(wavelane の要約): 携帯電話の基地局設計に使う経験式について、距離・周波数・基地局の高さと並ぶ4つ目のパラメータ、市街地で距離の何乗で損失が増えるか、平坦とみなす起伏の目安、障害物が無い土地とみなす前方の距離を組合せで答えさせる問題。

FB707 A-165点(1問1採点)

原文(公式問題文)

A-16 次の記述は、陸上移動通信における伝搬損の推定法の一つである奥村-秦式の特徴について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 奥村-秦式は、携帯電話システム等の無線回線設計や基地局配置を検討するための伝搬損の推定法である。推定対象とする地域を都市部、郊外地、開放地の3つに分け、送受信地点間距離、周波数、基地局アンテナ高及び [ A ] をパラメータとして電界強度の特性がまとめられている。 (2) 都市部における伝搬損は、伝搬距離の概ね [ B ] 乗で変化するとされている。 (3) 推定対象地域の地形としては、伝搬路の地形プロファイルから判断して、地形の起伏が概ね [ C ]〔m〕以下で、起伏のうねりが緩やかな平坦な地形である準平滑地形を対象としている。 (4) 開放地とは、電波到来方向に高い樹木、建物などの障害物がなく、目安として、前方 [ D ]〔m〕以内が開けているような田地、畑地、野原を指す。   A           B      C    D 1 移動局アンテナ高    1.5~2   100   600~800 2 移動局アンテナ高    3~3.5   20    300~400 3 移動局アンテナ高    1.5~2   20    600~800 4 建物高         1.5~2   20    300~400 5 建物高         3~3.5   100   600~800

出典: 令和7年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB707)A-16(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

正しい組合せの番号を1つ選ぶ(番号は上の原文の選択肢に対応します)
解かずに正答と解説を見る

正答: 2

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

携帯電話の基地局設計に使う経験式を 4 か所で問う。4 つ目のパラメータ、市街地での距離の効き方、平坦とみなす起伏の目安、開けた土地とみなす前方の距離が順に決まる。

空欄 A: 移動局アンテナ高
距離・周波数・基地局側の高さと並ぶ 4 つ目は、受ける側の高さである。送受の両端の高さが揃ってはじめて、見通しの取れ方が決まる。建物の高さは、市街地の程度を表す補正として別に扱われる量で、基本のパラメータには入らない。
空欄 B: 3~3.5
何も遮るものが無ければ電力は距離の 2 乗で薄まるが、市街地では建物での回折と反射を繰り返すぶん、減り方が急になる。3 乗から 3.5 乗というのが実測から得られている目安である。2 乗より小さい値では自由空間より緩やかに減ることになり、市街地の実測と食い違う。
空欄 C: 20
この推定法が対象にしているのは、起伏の目安が 20 m 以下で、うねりの緩やかな土地である。100 m 規模の起伏がある地形では、山かげによる回折損などを別に見積もる必要があり、この式の適用外になる。
空欄 D: 300~400
電波の来る方向に高い樹木や建物が無く、前方 300 m から 400 m ほどが開けている土地を、開放地として扱う。600 m 以上を条件にすると開放地とみなせる場所がほとんど無くなり、3 区分の使い分けが成り立たなくなる。

この組合せになっているのは選択肢 2 である。

つまずきやすい点

  • 市街地の距離特性は自由空間より急である。2 乗より小さい値を選ぶと向きが逆になる。
  • パラメータは送受の両端の高さである。片方だけを見て建物の高さを選ばない。
  • 起伏の目安と、開けているとみなす前方の距離は別の数である。どちらも地形の条件だが、意味が違う。