一陸技|無線工学B|過去問
令和7年7月期 A-7
要点(wavelane の要約): 中空の管について、モード番号と2辺の寸法で書いた遮断波長の一般形、最も低次のモードでの遮断波長、自由空間波長から伸びる管内波長、そして管内を進むエネルギーの速さと位相の速さの大小を組合せで答えさせる問題。幅と高さのどちらが分母に来るかが分かれ目になる。
原文(公式問題文)
A-7 次の記述は、図に示す方形導波管について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、自由空間波長を λ〔m〕とする。 (1) TE mn モードの遮断波長は、[ A ]〔m〕である。 (2) TE10 モードにおける遮断波長は、[ B ]〔m〕、管内波長は、[ C ]〔m〕である。 (3) 管内を伝搬する電波の群速度は、位相速度より [ D ]。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C D 1 1/√((m/(2a))² + (n/(2b))²) 2a λ/√(1 - (λ/(2a))²) 遅い 2 1/√((m/(2a))² + (n/(2b))²) 2b λ/√(1 - (λ/(2a))²) 速い 3 1/√((m/(2a))² + (n/(2b))²) 2a λ/√(1 - (λ/(2b))²) 速い 4 1/√((n/(2a))² + (m/(2b))²) 2b λ/√(1 - (λ/(2b))²) 速い 5 1/√((n/(2a))² + (m/(2b))²) 2b λ/√(1 - (λ/(2a))²) 遅い
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和7年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB707)A-7(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 1
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
中空の管について、モード番号と 2 辺の寸法で書いた遮断波長の一般形、最も低いモードでの値、管内波長、そしてエネルギーの速さと位相の速さの大小を順に決める。
- 空欄 A: 1/√((m/(2a))² + (n/(2b))²)
- 添字は前が広い辺、後ろが狭い辺に対応する。断面のそれぞれの向きに半波長を何個詰め込むかという数え方から、この形が出る。分母で辺の対応を入れ替えた候補は、最も低いモードの遮断波長が狭い辺で決まることになり、次の空欄と食い違う。
- 空欄 B: 2a
- 一般形に、広い辺の向きだけに半波長を 1 つ置く組合せを入れると、広い辺の 2 倍が残る。広い辺のほうが長いので、これがすべてのモードの中で最も長い遮断波長になり、最も低い周波数から伝わり始める。だから基本のモードと呼ばれる。
- 空欄 C: λ/√(1 − (λ/(2a))²)
- 管内波長は、自由空間波長を、自由空間波長と遮断波長の比から作った 1 より小さい数で割った形になる。分母に入るのは最も低いモードの遮断波長、すなわち広い辺の 2 倍である。分母が 1 より小さいので管内波長は必ず自由空間波長より長くなり、遮断に近づくほど急に伸びる。狭い辺で書いた候補は、Bで決めた遮断波長と食い違う。
- 空欄 D: 遅い
- 位相の進む速さは光速より速く、エネルギーの伝わる速さは光速より遅い。2 つの積が光速の 2 乗になる関係にあるので、後者が前者より遅いことは常に成り立つ。位相の速さが光速を超えても矛盾しないのは、エネルギーを運ぶのが後者だからである。
この組合せになっているのは選択肢 1 である。
つまずきやすい点
- 添字は「広い辺が先」で対応する。分母の 2 つの辺を入れ替えた式が定番の誤答として並ぶ。
- 管内波長は自由空間波長より長い。短くなると読むと、位相の速さが光速を超えるという話と食い違う。
- 位相の速さが光速を超えても物理法則には反しない。信号やエネルギーが伝わるのは遅いほうの速さである。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路群速度・管内波長・位相速度・遮断波長・遮断周波数・導波管の伝送モード
- 導波管・遮断周波数群速度・管内波長・位相速度・遮断波長・遮断周波数・導波管の伝送モード
- 給電線と整合回路位相速度・遮断波長・遮断周波数・導波管の伝送モード