本文へ移動
wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

令和7年1月期 A-13

要点(wavelane の要約): 導波管の壁に傾きを交互に変えて穴を並べたアンテナについて、管壁を流れる電流の向き、各穴から出る電波の向きの決まり方、隣り合う穴で打ち消される成分と残る偏波の向きを組合せで答えさせる問題。

FB701 A-135点(1問1採点)

原文(公式問題文)

A-13 次の記述は、図に示すスロットアレーアンテナから放射される電波の偏波について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、スロットアレーアンテナは xy 面が大地に平行に置かれ、管内には TE10 モードの電磁波が伝搬しているものとし、管内波長は λg〔m〕とする。また、λg/2〔m〕の間隔で交互に傾斜方向を変えてスロットがあけられているものとする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) yz 面に平行な管壁には z 軸に [ A ] な電流が流れており、スロットはこの電流の流れを妨げるので、電波を放射する。 (2) 管内における y 軸方向の電界分布は、λg/2〔m〕の間隔で反転しているので、管壁に流れる電流の方向も同じ間隔で反転している。交互に傾斜角の方向が変わるように開けられた各スロットから放射される電波の [ B ] の方向は、各スロットに垂直な方向となる。 (3) 隣り合う二つのスロットから放射された電波の電界をそれぞれ y 成分と z 成分に分解すると、[ C ] は互いに逆向きであるが、もう一方の成分は同じ向きになる。このため、[ C ] が打ち消され、もう一方の成分は加え合わされるので、偏波は [ D ] となる。

〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。

A    B    C     D 1 平行   電界   z 成分   水平偏波 2 平行   電界   y 成分   垂直偏波 3 平行   磁界   y 成分   垂直偏波 4 垂直   磁界   y 成分   水平偏波 5 垂直   電界   z 成分   垂直偏波

〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。

Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)

図の説明(Wavelane 独自・原文には含まれません): スロットアレーアンテナの斜視図。方形導波管の管壁に細長いスロットが管軸方向へ並び、隣り合うスロットは傾斜の向きが交互に入れ替わっている。スロットの間隔は λg/2 で、管の一端が給電、管壁の外向きが放射方向である。座標軸は z が上、y が管軸方向、x が手前である。

出典: 令和7年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB701)A-13(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

正しい組合せの番号を1つ選ぶ(番号は上の原文の選択肢に対応します)
解かずに正答と解説を見る

正答: 1

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

導波管の壁に傾きを交互に変えて穴を並べたアンテナ。壁を流れる電流の向き、穴から出る電波の向きの決まり方、そして残る偏波を順に決める。

空欄 A: 平行
図の管は広い壁が水平、狭い壁が垂直に立っている。TE10 では電界が広い壁と直角、すなわち上下を向くので、垂直に立った狭い壁には上下向き、つまり縦の座標軸に平行な電流が流れる。穴はこの流れを横切るように傾けて開けるから、電流が妨げられて電波が出る。
空欄 B: 電界
細長い穴から出る電波は、穴の長手方向と直角を向く電界を持つ。だから穴を傾けると、その傾きに応じて電界の向きが変わる。磁界のほうは穴に沿う向きになるので、傾きと直角という関係にはならない。
空欄 C: z 成分
隣り合う穴は傾きが逆向きなので、放射される電界の上下成分は互いに逆を向く。一方、管壁の電流の向きも半管内波長ごとに反転しており、この反転が傾きの反転とちょうど釣り合って、管軸に沿う成分は同じ向きにそろう。したがって打ち消し合うのは上下の成分のほうである。
空欄 D: 水平偏波
残るのは管軸に沿う成分である。管は大地に平行に置かれているので、この向きは水平になる。上下の成分が消えて水平の成分だけが残るから、放射される電波は水平偏波になる。

この組合せになっているのは選択肢 1 である。

つまずきやすい点

  • 穴が電波を出すのは、管壁の電流を横切るからである。電流に沿って切った穴は流れを妨げないので放射しない。傾きを付ける意味がここにある。
  • 打ち消しが起きるには 2 つの反転が要る。穴の傾きの反転と、半管内波長ごとの電流の反転の両方が同時に効いて、片方の成分だけがそろう。
  • 穴から出る電界は長手方向と直角である。穴に沿う向きだと思うと、残る成分と消える成分が入れ替わってしまう。