一陸技|無線工学B|過去問
令和7年1月期 A-12
要点(wavelane の要約): 断面図で焦点から縁を見込む角と、開口の半径・焦点距離の3つがどう結びつくかを問う問題。与えられた半角の変形式を手がかりに、正接が半径を焦点距離の何倍で割った形になるかを5つの式から選ばせる。
原文(公式問題文)
A-12 図に示す円形パラボラアンテナの断面図の開口角 2θ〔rad〕と開口面の直径 2r〔m〕及び焦点距離 f〔m〕との関係を表す式として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、θ について、次式が成り立つ。 tan(θ/2) = (1 + cot²θ)^(1/2) − cotθ
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 tan(θ/2) = r/(4f) 2 tan(θ/2) = f/r 3 tan(θ/2) = r/(2f) 4 tan(θ/2) = 2r/f 5 tan(θ/2) = r/(f − r)
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和7年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB701)A-12(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 3
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
断面の図で、焦点から開口の縁を見込む角と、開口の半径・焦点距離の関係を式にする。放物線の式に縁の点を当てはめ、与えられた変形式へ通すと1つに決まる。
選択肢 1— 答えではない
形は正しい向きだが分母が 2 倍大きい。放物線の式に現れる 4f をそのまま分母へ持ち込むと、この形になる。図の寸法から出る値の半分にあたる。
選択肢 2— 答えではない
分子と分母が入れ替わっている。この形だと、開口を大きくするほど角が小さくなることになり、図と反対の向きになる。浅い皿ほど焦点から見込む角が小さいという実際の関係とも合わない。
選択肢 3◎ これが答え
鏡面の頂点を原点に取ると、断面の放物線は y² = 4fx で、焦点は軸上の (f, 0) にある。開口の縁は y = r の点なので、その位置は x = r²/(4f) である。焦点から縁を見た向きが軸となす角を θ とすれば、cotθ = (f − r²/(4f))/r = (4f² − r²)/(4fr) になる。これを問題文の変形式へ入れると √(1 + cot²θ) = (4f² + r²)/(4fr) となり、差を取ると (2r²)/(4fr) = r/(2f) が残る。
選択肢 4— 答えではない
分子と分母の関係は正しい向きだが、係数が 4 倍大きい。半径と焦点距離が等しい皿を考えると、この式では正接が 2 になり、開口角が図に描けないほど大きくなってしまう。
選択肢 5— 答えではない
焦点距離と開口半径の差という、図に現れない長さを使っている。しかも半径が焦点距離に等しいところで発散し、それより深い皿では符号が反転してしまうので、幾何の裏づけがない。
正答は選択肢 3 である。
つまずきやすい点
- 角度は焦点から測る。頂点から縁を見込む角や、開口面の縁で軸となす角と取り違えると、まったく別の式になる。
- 与えられた変形式は、余接から半角の正接を出すための道具にすぎない。先に図の長さで余接を書き、それから代入する、という順番を守る。
- 半径が焦点距離の 2 倍のとき、この式は正接が 1、すなわち開口角が 180 度になることを示す。焦点が開口面の高さまで来る形で、検算に使える極限である。