一陸技|無線工学B|過去問
令和6年7月期 B-5
要点(wavelane の要約): 3種類の遮へいについて、導体で囲まれた中に何が存在しないことを使うのか、磁力線を集める材料の性質、高周波で遮へいの働きをする流れ、遮へい材の金属、網目に求める大きさを語群から選ばせる問題。
原文(公式問題文)
B-5 次の記述は、電界や磁界などの遮へい(シールド)について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。 (1) 静電遮へいは、静電界を遮へいすることであり、導体によって完全に囲まれた領域内に電荷がなければ、その領域内には [ ア ] が存在しないことを用いている。 (2) 磁気遮へいは、主として静磁界を遮へいすることであり、[ イ ] の大きな材料の中を磁力線が集中して通り、その材料で囲まれた領域内では、外部からの磁界の影響が小さくなることを用いている。 (3) 電磁遮へいは、主として高周波の電磁波を遮へいすることであり、電磁波により遮へい材料に流れる [ ウ ] が遮へいの作用をする。遮へい材は、銅や [ エ ] などの板や網などであり、網の場合には、網目の大きさによっては、網がアンテナの働きをするので、その大きさを波長に比べて十分 [ オ ] しなければならない。 1 電界 2 透磁率 3 変位電流 4 アルミニウム 5 大きく 6 磁界 7 透過率 8 高周波電流 9 フッ素樹脂 10 小さく
出典: 令和6年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB607)B-5(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 1/イ 2/ウ 8/エ 4/オ 10
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
静電・磁気・電磁の3つの遮へいを1問で問う。止めたい相手ごとに原理と材料が別であることを分けて覚えていれば、5つとも一続きで決まる。
- ア: 解答 1(電界)
- 導体で囲まれた領域の内側に電荷が無ければ、導体表面に誘導された電荷が外部の影響をちょうど打ち消し、内部には電界が生じない。これが静電遮へいの原理である。磁力線は導体を素通りするので、ここに入るのは電界のほうになる。
- イ: 解答 2(透磁率)
- 磁力線は通りやすい道を選ぶので、透磁率の大きな材料で囲むと磁力線はその材料の中へ集まり、内側の空間を通らなくなる。よく似た語の透過率は別の量で、磁気の遮へいには関係しない。
- ウ: 解答 8(高周波電流)
- 電磁波が遮へい材に当たると渦電流にあたる高周波電流が流れ、その電流が作る電磁界が入射波を打ち消す。変位電流は絶縁物の中で電界の変化が担う電流で、遮へい材の中を流れて遮へいの働きをするのは導体を流れる電流のほうである。
- エ: 解答 4(アルミニウム)
- 電磁遮へいには電気をよく通す金属を使う。銅と並ぶのはアルミニウムで、フッ素樹脂は絶縁体なので電流が流れず、遮へいにならない。
- オ: 解答 10(小さく)
- 網目が波長に比べて大きいと、その隙間そのものがスロットアンテナのように働いて電磁波を通してしまう。だから網目は波長より十分小さくしなければならない。
ア〜オの解答は 1・2・8・4・10 である。
つまずきやすい点
- 透磁率と透過率は別の量である。磁気遮へいで効くのは透磁率のほうで、語が似ているだけの選択肢が並ぶ。
- 電磁遮へいの主役は遮へい材を流れる伝導電流である。変位電流は絶縁物の中の話で、遮へい作用を担わない。
- 3つの遮へいは原理も材料も別である。静電は導体で囲む、磁気は高透磁率材で磁力線を迂回させる、電磁は電気をよく通す金属に電流を流す、と分けて覚える。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路導電率・静電遮へい・高周波電流・磁気遮へい・透磁率
- アンテナ・電波測定の基礎導電率・透磁率
- 伝搬の特論導電率