一陸技|無線工学B|過去問
令和6年1月期 A-15
要点(wavelane の要約): 遠回りの通路と何との差を半波長の整数倍と置くのか、そして n 番目の同心円の半径を送受信点までの2つの距離でどう書くかを組合せで答えさせる穴埋め問題。
原文(公式問題文)
A-15 次の記述は、フレネルゾーンについて述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 図において、距離 d〔m〕離れた送信点 T と受信点 R を結ぶ線分 TR 上の点 O を含み、線分 TR に垂直な平面 S がある。S 上の点 P を通る電波の通路長(TP+PR)と[ A ]との通路差が λ/2 の整数倍となる点 P の軌跡は、S 面上で複数の同心円となる。また、S が線分 TR 上を移動したとき、T、R を焦点とし、線分 TR を回転軸とする回転楕円体となる。ただし、TO、OR の距離をそれぞれ d1〔m〕、d2〔m〕、また、波長を λ〔m〕とする。 (2) 回転楕円体に囲まれた領域をフレネルゾーンといい、最も内側の領域を第 1 フレネルゾーン、以下、第 2、第 3、・・・、第 n フレネルゾーンという。第 n フレネルゾーンの円の半径は、約[ B ]〔m〕となる。 (3) 見通し内で無線回線を設定する場合には自由空間に近い良好な伝搬路を保つ必要があり、一般には、少なくとも障害物が第 1 フレネルゾーンに入らないようにクリアランスを設ける必要がある。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B 1 d-d1 √(d1d2/(nλd)) 2 d-d2 √(2λd1d2/(nd)) 3 d √(nλd1d2/d) 4 d √(2λd1d2/(nd)) 5 d-d1 √(nλd1d2/d)
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和6年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB601)A-15(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 3
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
フレネルゾーンの定義と半径の式。何と何の通路差を測るのかを取り違えなければ、半径の式は展開だけで出る。
- 空欄 A: d
- 比べる相手は、送信点と受信点をまっすぐ結ぶ最短の通路である。その長さは送受信点間の距離そのものなので d になる。途中までの長さ(d から d1 や d2 を引いた値)は、比較の相手にならない。
- 空欄 B: √(nλd1d2/d)
- 半径を r とすると、遠回りのぶんは近似的に r²(d1+d2)/(2d1d2) になる。これを λ/2 の n 倍と置き、d1+d2 = d を使って r について解くと、この形が出る。
この組合せになっているのは選択肢 3 である。
つまずきやすい点
- 半径は距離の平方根に比例する。距離が分母に来る形を選ぶと、送受信点から離れるほど細くなるという逆の絵になってしまう。
- 第1フレネルゾーンは n = 1 の場合である。中央(両側の距離が等しい位置)で最も太くなり、そこでの半径は √(λd)/2 と書ける。
理由から確かめる
- ナイフエッジ回折損失フレネルゾーン・通路差・平面波
- アンテナ方式図鑑フレネルゾーン・通路差・平面波
- アンテナ・電波測定の基礎通路差・平面波