一陸技|無線工学B|過去問
令和5年7月期 第2回 A-8
要点(wavelane の要約): 幅が高さより広い長方形の管について、一般のモードで伝わらなくなる波長の式、基本モードでのその値と管の中での波長、エネルギーが進む速さと波面の進む速さの大小を組合せで答えさせる問題。
原文(公式問題文)
A-8 次の記述は、図に示す方形導波管について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、自由空間波長を λ〔m〕とする。 (1) TEmn モードの遮断波長は、[ A ]〔m〕である。 (2) TE10 モードにおける遮断波長は、[ B ]〔m〕、管内波長は、[ C ]〔m〕である。 (3) 管内を伝搬する電波の群速度は、位相速度より[ D ]。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C D 1 1/√((m/(2a))² + (n/(2b))²) 2a λ/√(1 - (λ/(2b))²) 速い 2 1/√((m/(2a))² + (n/(2b))²) 2b λ/√(1 - (λ/(2a))²) 速い 3 1/√((m/(2a))² + (n/(2b))²) 2a λ/√(1 - (λ/(2a))²) 遅い 4 1/√((n/(2a))² + (m/(2b))²) 2b λ/√(1 - (λ/(2b))²) 速い 5 1/√((n/(2a))² + (m/(2b))²) 2b λ/√(1 - (λ/(2a))²) 遅い
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和5年7月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB508)A-8(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 3
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
方形導波管の遮断波長の一般式と、基本モード TE10 での遮断波長・管内波長を確かめ、群速度が光速より遅く位相速度が速いことを答える。
- 空欄 A: 1/√((m/(2a))² + (n/(2b))²)
- m は幅 a の方向、n は高さ b の方向に並ぶ半波長の数である。だから m は a と、n は b と組になる。添字を逆に組んだ候補は、幅と高さの役割を入れ替えてしまっている。
- 空欄 B: 2a
- A の式に m=1・n=0 を入れると、幅 a の2倍になる。幅の方向に半波長がちょうど1つ入る波長が限界、という意味である。
- 空欄 C: λ/√(1 − (λ/(2a))²)
- 管内波長は、自由空間波長を「1 から自由空間波長と遮断波長の比の2乗を引いた値」の平方根で割った長さである。遮断波長は 2a なので、括弧の中は λ/(2a) になる。2b を使った候補は B で求めた遮断波長と食い違う。
- 空欄 D: 遅い
- 群速度と位相速度の積は光速の2乗に等しく、位相速度は光速より速い。したがって群速度は光速より遅く、位相速度より遅い。エネルギーや信号が光速を超えて運ばれることはない。
この組合せになっているのは選択肢 3 である。
つまずきやすい点
- TE10 の遮断波長は幅の2倍で、高さには関係しない。a>b のときこれが最も長い遮断波長になる。
- 群速度と位相速度は、積が光速の2乗という関係で結びついている。片方が光速より速ければ、もう片方は遅い。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路群速度・管内波長・位相速度・遮断波長・遮断周波数・導波管の伝送モード
- 導波管・遮断周波数群速度・管内波長・位相速度・遮断波長・遮断周波数・導波管の伝送モード
- 給電線と整合回路位相速度・遮断波長・遮断周波数・導波管の伝送モード