一陸技|無線工学B|過去問
令和5年7月期 第1回 B-2
要点(wavelane の要約): 損失の無い2線の線路で、先端の電圧・電流から入力端の電圧・電流を書いた式をもとに、半波長と1/4波長の長さのとき、周波数と長さを数値で与えたとき、先端を開いたときと短絡したときの入力インピーダンスを、記述ごとに正誤で答えさせる問題。
原文(公式問題文)
B-2 次の記述は、図に示すように、無損失の平行二線式給電線の終端から l〔m〕の距離にある入力端から負荷側を見たインピーダンス Z〔Ω〕について述べたものである。このうち正しいものを 1、誤っているものを 2 として解答せよ。ただし、終端における電圧を Vr〔V〕、電流を Ir〔A〕、負荷インピーダンスを Zr〔Ω〕とし、無損失の平行二線式給電線の特性インピーダンスを Z0〔Ω〕、位相定数を β〔rad/m〕、波長を λ〔m〕とすれば、入力端における電圧 V と電流 I は、次式で表されるものとする。 V = Vr cos βl + jZ0Ir sin βl〔V〕 I = Ir cos βl + j(Vr/Z0) sin βl〔A〕
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
ア l = λ/2 のとき、Z は Zr と等しい。 イ l = λ/4 のとき、Z は Z0²/Zr と等しい。 ウ 周波数が 10〔MHz〕で l = 37.5〔m〕のとき、Z は Zr と等しい。 エ Zr = ∞(終端開放)のとき、Z は -jZ0 cot βl と表される。 オ Zr = 0(終端短絡)のとき、Z は jZ0 cot βl と表される。
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和5年7月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB507)B-2(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 1/イ 1/ウ 2/エ 1/オ 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
与えられた電圧と電流の式から入力インピーダンスを作り、長さが半波長・1/4波長のとき、終端を開放・短絡したときを確かめる。長さを数値で与えた記述は波長に直して判断する。
- ア: 解答 1(正しい)
- 正しい。半波長では βl = π で cos = −1、sin = 0 なので、電圧と電流の比は終端と同じになり、Z は Zr に戻る。
- イ: 解答 1(正しい)
- 正しい。1/4波長では βl = π/2 で cos = 0、sin = 1 になり、Z = Z0²/Zr となる。1/4波長変成器の原理である。
- ウ: 解答 2(誤っている)
- 誤り。10 MHz の波長は 30 m なので 37.5 m は 1.25 波長、すなわち半波長の整数倍に1/4波長を足した長さである。Z は Z0²/Zr になり、Zr とは等しくない。
- エ: 解答 1(正しい)
- 正しい。終端を開くと電流 Ir が零になるので、Z = Vr cos βl / (j(Vr/Z0) sin βl) = −jZ0 cot βl となる。
- オ: 解答 2(誤っている)
- 誤り。終端を短絡すると電圧 Vr が零になり、Z = jZ0Ir sin βl / (Ir cos βl) = jZ0 tan βl である。余接ではなく正接になる。
ア〜オの解答は 1・1・2・1・2 である。
つまずきやすい点
- 開放は余接、短絡は正接。両方を入れ替えた記述が定番である。
- 長さを m で与えられたら、必ず波長で割ってから半波長・1/4波長の何倍かを見る。