一陸技|無線工学B|過去問
令和5年1月期 第2回 B-5
要点(wavelane の要約): 特性の等しい2基を向かい合わせて利得を測る手順を、向きの合わせ方、受信点の電力の密度、受信側の面積、両者の積としての受信電力、送受の電力比と距離から解いた利得の順に組み立て、語群から選ばせる問題。FB707 B-5 と同じ問題で、語群の並びが違う。
原文(公式問題文)
B-5 次の記述は、図に示す電気的特性の等しい二つのマイクロ波アンテナの利得測定の方法について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、アンテナ間の距離 d〔m〕は、波長 λ〔m〕に比較して十分大きいものとする。 (1) 送受信アンテナの偏波面を一致させ、受信電力が[ ア ]となるように両アンテナの方向を調整する。そのときの送受信電力をそれぞれ Pt〔W〕及び Pr〔W〕とし、送受信アンテナの利得をそれぞれ Gt(真数)及び Gr(真数)とすれば、受信点における電力束密度 p は、次式で表される。 p = [ イ ]〔W/m²〕 ・・・・・・① また、受信アンテナの実効面積 Ae は、次式で表される。 Ae = [ ウ ]〔m²〕 ・・・・・・② したがって、Pr は式①と②から、次式で表される。 Pr = Ae p = [ エ ]〔W〕 ・・・・・・③ (2) 送受信アンテナの電気的特性が等しいことから、利得 Gt 及び Gr は等しくなり、これを G(真数)と置くと、式③から、次式が得られる。 Gt = Gr = G = [ オ ]
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 PtGt/(4πd²) 2 (λ/(4πd))²GtGrPt 3 λ²Gr/(4π) 4 (4πd/λ)√(Pt/Pr) 5 最小 6 PtGt/(2πd²) 7 (λ/(2πd))²GtGrPt 8 λ²Gr/(2π) 9 (4πd/λ)√(Pr/Pt) 10 最大
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和5年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB502)B-5(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 10/イ 1/ウ 3/エ 2/オ 9
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
向きを合わせて受信電力を最大にし、受信点の電力密度と受信側の実効面積を掛けて受信電力を書く。送受が同じ特性なら利得を1つの文字にまとめ、受信電力と送信電力の比の平方根から利得を解く。
- ア: 解答 10(最大)
- 利得は主ビームの方向で定義される量なので、偏波面をそろえたうえで、受信電力が一番大きくなるまで向きを追い込む。
- イ: 解答 1(PtGt/(4πd²))
- 送信電力に利得を掛けた分が、半径 d の球面全体に広がると考えれば、単位面積当たりの電力は球の表面積 4πd² で割った値になる。
- ウ: 解答 3(λ²Gr/(4π))
- 実効面積は等方性アンテナの λ²/(4π) に利得を掛けたものである。
- エ: 解答 2((λ/(4πd))²GtGrPt)
- イとウを掛けると、送信電力に2つの利得と (λ/(4πd))² を掛けた形になる。フリスの伝達公式そのものである。
- オ: 解答 9((4πd/λ)√(Pr/Pt))
- エで Gt = Gr = G と置くと G² = (4πd/λ)²(Pr/Pt) になるので、平方根を取る。受信電力が分子に来る。
ア〜オの解答は 10・1・3・2・9 である。
つまずきやすい点
- オの語群には電力比を逆にした語もある。受信電力が大きいほど利得が大きくなるはずなので、Pr が分子である。
- FB707 B-5 と語群の番号の並びが違う。字句で考えて番号で選ぶ。
理由から確かめる
- アンテナ・電波測定の基礎アンテナ利得・実効面積・フリスの伝達公式・アンテナ利得の測定・電力束密度
- アンテナ方式図鑑アンテナ利得・実効面積・フリスの伝達公式・電力束密度
- 電界強度アンテナ利得・実効面積・フリスの伝達公式・電力束密度