一陸技|無線工学B|過去問
令和5年1月期 第2回 B-4
要点(wavelane の要約): 標準大気で屈折率が高さとともにどちらへ変わるか、丸い大地を平らに直す補正量に入る地球の量、その補正量を扱いやすい数に直す式、標準大気でのその曲線の呼び名、ダクトを生む大気の層を語群から選ばせる問題。FB801 B-4 と同じ題材で、空欄の切り方と語群が違う。
原文(公式問題文)
B-4 次の記述は、マイクロ波(SHF)帯の電波の対流圏伝搬について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) 標準大気において、大気の屈折率 n は地表からの高さとともに[ ア ]するから、標準大気中の電波通路は、送受信点間を結ぶ直線に対して上方に凸にわん曲する。 (2) 実際の大地は球面であるが、これを平面大地上の伝搬として等価的に取り扱うために、m = n+(h/R) で与えられる修正屈折率 m が定義されている。ここで、h〔m〕は地表からの高さ、R〔m〕は地球の[ イ ]である。m は 1 に極めて近い値で不便なので、修正屈折示数 M を用いる。M は、M = [ ウ ]×10^6 で与えられ、標準大気では地表からの高さとともに増加する。 (3) 標準大気の M 曲線は、図 1 に示すように勾配が一定の直線となる。この M 曲線の形を[ エ ]という。 (4) 大気中に温度などの[ オ ]層が生ずるとラジオダクトが発生し、電波がラジオダクトの中に閉じ込められて見通し距離より遠方まで伝搬することがある。このときの M 曲線は、図 2 に示すように、ある範囲の高さで[ エ ]とは逆の勾配を持つ部分を生ずる。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 均一 2 (m+1) 3 減少 4 (m-1) 5 標準形 6 接地形 7 逆転 8 増加 9 半径 10 等価半径
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和5年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB502)B-4(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 3/イ 9/ウ 4/エ 5/オ 7
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
標準大気では屈折率が上へ行くほど小さくなるので、電波は上に凸に曲がる。大地の丸みを足し込んだ修正屈折率から M を作ると、標準大気では一定勾配の直線になり、勾配が逆転するとダクトができる。
- ア: 解答 3(減少)
- 空気は上空ほど薄く、水蒸気も少ないので、屈折率は高さとともに小さくなる。電波は屈折率の大きい下側へ引き寄せられ、送受を結ぶ直線より上に膨らんだ通路になる。
- イ: 解答 9(半径)
- h/R の項は大地の丸みを屈折率の側へ移すためのもので、R は実際の地球の半径である。等価半径は屈折の効果を地球の側へ移したときの量で、ここでは使わない。
- ウ: 解答 4((m-1))
- m は1にごく近いので、1を引いて100万倍した数で扱う。1を足すと2に近い数になり、扱いやすくならない。
- エ: 解答 5(標準形)
- 標準大気の M 曲線は高さとともに一定の勾配で増える直線で、この形を標準形と呼ぶ。接地形は地表近くだけ勾配が逆になる形で、ダクトのある状態の一種である。
- オ: 解答 7(逆転)
- 上ほど温度が高い、あるいは急に乾く層ができると、その範囲で M の勾配が負になり、電波が閉じ込められて見通しの外まで届く。
ア〜オの解答は 3・9・4・5・7 である。
つまずきやすい点
- 屈折率が減ることと、M が増えることは矛盾しない。M には h/R の項が足されているからである。
- FB801 B-4 は曲がり方の向きを空欄にしていたが、この期は屈折率の増減を空欄にしている。同じ題材でも空欄の位置を確かめる。
理由から確かめる
- 伝搬の特論等価地球半径係数k・修正屈折率・修正屈折示数M・ラジオダクト・屈折率
- 電波の見通し距離等価地球半径係数k・修正屈折率・修正屈折示数M・屈折率
- 電離層伝搬(MUF・跳躍距離)屈折率