一陸技|無線工学B|過去問
令和4年7月期 第1回 A-8
要点(wavelane の要約): 内外の導体でできた線路について、使える周波数の範囲、損失と周波数の関係、誘電体を詰めたときの特性インピーダンスと位相定数の変わり方を5つ並べ、比誘電率に対する効き方の次数を誤った記述を選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-8 次の記述は、同軸線路の特性について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 通常、直流から TEM 波のみが伝搬する周波数帯まで用いられる。 2 抵抗損および誘電体損は、周波数が高くなるにつれてともに増加する。 3 比誘電率が εs の誘電体が充てんされているときの特性インピーダンスは、比誘電率が 1 の誘電体が充てんされているときの特性インピーダンスの 1/εs 倍となる。 4 比誘電率が εs の誘電体が充てんされているときの位相定数は、比誘電率が 1 の誘電体が充てんされているときの位相定数の √εs 倍となる。 5 通常、最も遮断波長が長い TE11 波が発生する周波数より高い周波数領域では用いられない。
出典: 令和4年7月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB407)A-8(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 3
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
同軸線路に誘電体を詰めると、単位長あたりの静電容量が比誘電率倍になる。特性インピーダンスは √(L/C) なので 1/√εs 倍、位相定数は ω√(LC) なので √εs 倍になる。
選択肢 1— 答えではない
正しい。同軸線路の基本モードは遮断周波数を持たない TEM 波なので、直流から使える。
選択肢 2— 答えではない
正しい。導体の抵抗損は表皮効果で √f に、誘電体損は f に比例して増えるので、どちらも周波数とともに大きくなる。
選択肢 3◎ これが答え
誤っている。特性インピーダンスは √(L/C) で、静電容量だけが εs 倍になるから、1/εs 倍ではなく 1/√εs 倍である。
選択肢 4— 答えではない
正しい。位相定数は ω√(LC) で、C が εs 倍になれば √εs 倍になる。線路上の波長が 1/√εs に縮むのと同じことである。
選択肢 5— 答えではない
正しい。周波数を上げると、TEM 波の次に遮断波長が長い TE11 波が立ち上がる。高次モードが混じると伝送が乱れるので、その手前までで使う。
正答は選択肢 3 である。
つまずきやすい点
- 比誘電率が効くのは平方根である。インピーダンスも位相定数も √εs で変わり、向きだけが逆になる。
- FB701 A-9 では位相定数の側を εs 倍と書いた記述が誤りだった。どちらの量が書き換えられても √ の有無で見分ける。
理由から確かめる
- 給電線と整合回路同軸線路・比誘電率・TEM波・遮断波長・遮断周波数
- 電磁界の続論とマイクロ波回路同軸線路・TEM波・遮断波長・遮断周波数
- アンテナ方式図鑑比誘電率・遮断波長・遮断周波数