本文へ移動
wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

令和4年1月期 第2回 A-10

要点(wavelane の要約): 誘電体で電波を遅らせて波面をそろえるアンテナについて、原理、屈折率と比誘電率の関係、レンズの形、表面の反射対策、段差をつけて薄くする工夫を5つ並べ、屈折率を比誘電率の平方根の逆数とした記述を選ばせる問題。

FB402 A-105点(1問1採点)

原文(公式問題文)

A-10 次の記述は、誘電体レンズアンテナについて述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 電波の誘電体中の位相速度が自由空間中の位相速度と異なることを利用したアンテナである。 2 誘電体の屈折率は、誘電体の比誘電率を εr とすれば、1/√εr である。 3 レンズの形状を凸レンズとして、球面波を平面波に変換する。 4 レンズの表面に整合層を設けることによって、レンズの表面で生ずる反射を抑えて放射パターンを改善できる。 5 ゾーニングを行うことによって、全体の重量を軽くするとともに、誘電損を少なくすることにより誘電体の媒質定数がアンテナ特性に与える影響を軽減することができる。

出典: 令和4年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB402)A-10(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

誤っているものの番号を1つ選ぶ(番号は上の原文の選択肢に対応します)
解かずに正答と解説を見る

正答: 2

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

誘電体の中では電波が遅くなり、屈折率は比誘電率の平方根になる。屈折率が1より大きいので、中央を厚くした凸レンズで球面波の中央部を遅らせて平面波へそろえる。

  • 選択肢 1— 答えではない

    正しい。誘電体中では位相速度が自由空間の 1/√εr に下がる。この遅れの差で波面を曲げるのがレンズアンテナである。

  • 選択肢 2◎ これが答え

    誤っている。屈折率は自由空間と媒質中の速度の比で、√εr になる。1/√εr は位相速度の比のほうで、屈折率を 1 より小さく書いていることになる。

  • 選択肢 3— 答えではない

    正しい。屈折率が 1 より大きいので、中央を厚くした凸形にすると中央を通る波ほど遅れ、球面波が平面波へそろう。

  • 選択肢 4— 答えではない

    正しい。表面に 1/4 波長程度の整合層を付けると、空気との境界での反射を抑えられ、放射パターンの乱れが減る。

  • 選択肢 5— 答えではない

    正しい。ゾーニングで厚さを波長単位で削ると、軽くなり誘電損も減る。誘電体の性質のばらつきの影響も小さくなる。

正答は選択肢 2 である。

つまずきやすい点

  • FB607 A-12 では同じ題材で、凸と凹の向きを逆に書いた記述が誤りだった。この期は凸レンズが正しく書かれ、屈折率の式が逆数にされている。
  • 金属板を並べたメタルレンズは位相速度が速くなる(屈折率が1より小さい)ので凹形になる。誘電体レンズと混同しない。