一陸技|無線工学B|過去問
令和3年1月期 第2回 B-3
要点(wavelane の要約): 導波管の口を角錐状に広げた素子について、広げる目的、開口面でそろっている必要がある量、開口面積と波長で書いた利得の式、広げすぎて利得が伸びない寸法とその理由になる位相のずれの向きを語群から選ばせる問題。
原文(公式問題文)
B-3 次の記述は、角錐ホーンアンテナについて述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。 (1) 方形導波管の終端を角錐状に広げて、導波管と自由空間の固有インピーダンスの整合をとり、[ ア ]を少なくして、導波管で伝送されてきた電磁波を自由空間に効率よく放射する。 (2) 導波管の電磁界分布がそのまま拡大されて開口面上に現れるためには、ホーンの長さが十分長く開口面上で電磁界の[ イ ]が一様であることが必要である。この条件がほぼ満たされたときの正面方向の利得 G(真数)は、波長を λ〔m〕、開口面積を A〔m²〕とすると、次式で与えられる。 G = [ ウ ] (3) ホーンの[ エ ]を大きくし過ぎると利得が上がらない理由は、開口面の周辺部の位相が、中心部より[ オ ]ためである。位相を揃えて利得を上げるために、パラボラ形反射鏡と組み合わせて用いる。 1 屈折 2 振幅 3 32λ²/(πA) 4 開き角 5 遅れる 6 反射 7 位相 8 32A/(πλ²) 9 長さ 10 進む
出典: 令和3年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB302)B-3(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 6/イ 7/ウ 8/エ 4/オ 5
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
角錐ホーンを5か所で確かめる。広げる目的、開口面でそろっている必要がある量、開口面積と波長で書いた利得、そして広げすぎたときに何が起きるか。
- ア: 解答 6(反射)
- 導波管の口をいきなり自由空間へ開けると固有インピーダンスが急に変わり、そこで波が跳ね返る。角錐状に広げるのは、この段差をなだらかにして跳ね返るぶんを減らすためである。
- イ: 解答 7(位相)
- 開口面でそろっている必要があるのは位相である。振幅の分布は導波管の中の分布がそのまま拡大されて出てくるので、もともと一様ではない。位相がそろって初めて開口全体の寄与が正面で足し合わされる。
- ウ: 解答 8(32A/(πλ²))
- 開口面アンテナの利得は 4πηA/λ² の形で、方形導波管の分布がそのまま開口に出る場合の開口効率は 8/π² である。これを入れると係数は 32/π になる。もう一方の候補は面積と波長の位置が逆で、開口を広げるほど利得が下がる式になる。
- エ: 解答 4(開き角)
- 大きくしすぎると利得が頭打ちになるのは開き角である。長さは十分に取れば開口面の位相がそろう向きに働くので、大きくして困る量ではない。
- オ: 解答 5(遅れる)
- ホーンの中を広がる波面は頂点を中心とする球面に近い。平らな開口で見ると周辺部までの距離のほうが中心部までより長いので、周辺部の位相は中心部より遅れる。開き角を広げるほどこの差が大きくなる。
ア〜オの解答は 6・7・8・4・5 である。
つまずきやすい点
- 一様であることが求められるのは位相である。振幅は導波管の分布のままなので一様ではない。
- 位相のずれは「周辺が遅れる」とも「中心が進む」とも言える。どちらを主語にしているかを読み、向きを取り違えない。
- 開口効率 8/π² は方形導波管の分布がそのまま開口へ出た場合の値である。反射鏡アンテナの 0.5〜0.6 と混ぜない。