一陸技|無線工学B|過去問
令和3年1月期 第2回 A-15
要点(wavelane の要約): 中波と短波の伝わり方について、地面に沿う波が届く距離の海陸差、偏波による損失の差、夜間の遠距離伝搬、短波の時間変化、電離層の乱れへの弱さの5記述を並べ、海上と陸上の関係を逆に述べた記述を選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-15 次の記述は、中波(MF)帯及び短波(HF)帯の電波の伝搬について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 MF 帯の地表波は、伝搬路が海上の場合よりも陸上の場合の方が遠方まで伝搬する。 2 MF 帯の地表波の伝搬損は、水平偏波の場合の方が垂直偏波の場合より大きい。 3 MF 帯の E 層反射波は、日中はほとんど使えないが、夜間は D 層の消滅により数千キロメートル伝搬することがある。 4 HF 帯では、電離層の臨界周波数などの影響を受け、その伝搬特性は時間帯や周波数などによって大きく変化する。 5 HF 帯では、MF 帯に比べて、電離層嵐(磁気嵐)やデリンジャー現象などの異常現象の影響を受けやすい。
出典: 令和3年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB302)A-15(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 1
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wavelane の解説(公式の解説ではありません)
中波と短波の伝わり方を5つ確かめる。地面に沿う波は地面の導電率が高いほど遠くまで届くので、海上のほうが有利である。
選択肢 1◎ これが答え
誤っている。地面に沿って進む波の減衰は、地面の導電率が高いほど小さい。海水は導電率がとくに高いので、海上のほうが遠方まで届く。陸上のほうが遠くまで届く、とした向きが逆である。
選択肢 2— 答えではない
電界が地面と平行だと、導電性の地面がほぼ短絡のように働いて電界を打ち消すので、損は大きい。電界が地面に立つ向きのほうが減衰は小さい。正しい。
選択肢 3— 答えではない
日中は最も低い吸収の層が中波を吸ってしまうが、夜になるとその層が消え、上の層で反射した波が遠方まで届く。正しい。
選択肢 4— 答えではない
短波は電離層の反射に頼る帯なので、反射できる周波数の上限が時刻や季節で動けば、伝わり方もそのまま変わる。正しい。
選択肢 5— 答えではない
短波は電離層の反射に頼っているので、電離層が乱れると回線が直接影響を受ける。主に地表に沿う波を使う中波より影響を受けやすい。正しい。
正答は選択肢 1 である。
つまずきやすい点
- 海上のほうが遠くまで届く。導電率が高いほど地表波の減衰が小さい、という向きで覚える。
- 夜間の中波の遠距離伝搬は、反射する層が新しくできるのではなく、吸収する層が消えることで起きる。
理由から確かめる
- 伝搬の特論電子密度・地表波・電離圏による減衰・電離層内の屈折・反射・太陽フレアと黒点活動
- 電離層伝搬(MUF・跳躍距離)電子密度・電離層内の屈折・反射