一陸技|無線工学B|過去問
令和3年1月期 第1回 A-10
要点(wavelane の要約): 携帯機の導体のきょう体に立てた棒状の接地形アンテナについて、長さを4分の1波長・半波長・8分の3波長と変えたときの給電点インピーダンス、きょう体へ流れる電流、手などの影響、50Ω系との整合を比べる5記述から、給電点インピーダンスの高低を逆に述べた記述を選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-10 次の記述は、図に示すように移動体通信に用いられる携帯機のきょう体の上に外付けされたモノポールアンテナ(ユニポールアンテナ)について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 携帯機のきょう体の上に外付けされたモノポールアンテナは、一般にその長さ h によってアンテナの特性が変化する。 2 長さ h が 1/2 波長のモノポールアンテナは、1/4 波長のモノポールアンテナと比較したとき、給電点インピーダンスが低い。 3 長さ h が 1/2 波長のモノポールアンテナは、1/4 波長のモノポールアンテナと比較したとき、携帯機のきょう体に流れる高周波電流が小さい。 4 長さ h が 1/2 波長のモノポールアンテナは、1/4 波長のモノポールアンテナと比較したとき、放射パターンがきょう体の大きさやきょう体に近接する手などの影響を受けにくい。 5 長さ h が 3/8 波長のモノポールアンテナは、1/2 波長のモノポールアンテナと比較したとき、50〔Ω〕系の給電線と整合が取りやすい。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和3年1月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB301)A-10(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
導体のきょう体を地板代わりにしたモノポールの長さによる違いを問う。半波長では給電点が電流の節に当たってインピーダンスが高くなることが分かれ目になる。
選択肢 1— 答えではない
素子の長さで電流分布が変わるので、給電点インピーダンスも放射パターンもきょう体に流れる電流も変わる。正しい。
選択肢 2◎ これが答え
誤っている。半波長の素子では、開放された先端から半波長戻った給電点が電流の節(電圧の腹)に当たるので、給電点インピーダンスは非常に高くなる。4分の1波長の素子は給電点が電流の腹で数十Ω程度なので、高低の関係が逆である。
選択肢 3— 答えではない
4分の1波長の素子は、影像の役目をきょう体に負わせるので、きょう体の表面に大きな高周波電流が流れる。半波長では給電点の電流が小さく、素子だけで共振が完結するので、きょう体へ流れ込む電流は小さい。正しい。
選択肢 4— 答えではない
きょう体に流れる電流が小さければ、きょう体自体が放射に加わる割合も小さい。そのため、きょう体の寸法や握った手の影響を受けにくい。正しい。
選択肢 5— 答えではない
8分の3波長の素子の給電点インピーダンスは、半波長の非常に高い値と4分の1波長の低い値の中間にあり、50Ω系へ整合を取りやすい。正しい。
正答は選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- 半波長の素子は給電点で電流が最小になる。半波長ダイポールの中央給電(約 73 Ω)と混同して低いと考えない。
- 4分の1波長の素子が動作するのは、地板(ここではきょう体)に影像の電流が流れるからである。きょう体の電流が大きいことは、4分の1波長の性質そのものである。