一陸技|無線工学B|過去問
令和2年11月臨時 第1回 A-6
要点(wavelane の要約): 同軸の線路と、2枚の導体で誘電体を挟んだ線路の特性インピーダンスを等しくしたとき、外と内の径の比から導体間の厚さと幅の比を求めさせる計算問題。常用対数の値から自然対数を組み立てる手順が要る。
原文(公式問題文)
A-6 図 1 は同軸線路の断面図であり、図 2 は平行平板線路の断面図である。これら二つの線路の特性インピーダンスが等しく、同軸線路の外部導体の内径 b〔m〕と内部導体の外径 a〔m〕との比(b/a)の値が 5 であるときの平行平板線路の誘電体の厚さ d〔m〕と導体の幅 W〔m〕との比(d/W)の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、両線路とも無損失であり、誘電体は同一とする。また、誘電体の比誘電率を εr とし、自由空間の固有インピーダンスを Z0〔Ω〕とすると、平行平板線路の特性インピーダンス Zp〔Ω〕は、Zp = (Z0/√εr) × (d/W) で表され、log10 2 = 0.3 とする。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 0.22 2 0.26 3 0.30 4 0.34 5 0.38
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和2年11月臨時 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB211)A-6(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
同軸線路の特性インピーダンスを自然対数で書き、平行平板線路の式と等しいと置く。誘電体と固有インピーダンスは両辺で消え、厚さと幅の比は径の比の自然対数を 2π で割った値になる。
- 手順1同軸線路の特性インピーダンスは、自由空間の固有インピーダンスを 2π と比誘電率の平方根で割り、径の比の自然対数を掛けた形である。
- 手順2これを平行平板線路の式と等しいと置く。同じ誘電体なので、固有インピーダンスと比誘電率の平方根は約分できる。
- 手順3常用対数で log₁₀5 = 1 − log₁₀2 = 0.7 とし、自然対数へは 2.3 を掛けて直す。
- 手順42π で割る。
求める値は d/W ≒ 0.26。したがって正答は選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- 自然対数のまま常用対数の値 0.7 を使うと 0.11 になり、選択肢に無い。2.3 倍して自然対数へ直す。
- 同軸の式の 2π を落とすと 1.6 前後の値になる。半径方向の電界を一周分で割るので 2π が付く。
理由から確かめる
- 給電線と整合回路特性インピーダンス・同軸線路・マイクロストリップ線路・比誘電率
- アンテナ・電波測定の基礎特性インピーダンス・比誘電率
- 複素数と複素インピーダンス 徹底入門特性インピーダンス