一陸技|無線工学B|過去問
令和2年1月期 A-17
要点(wavelane の要約): 雷が出す雑音の昼夜と緯度による差とその届き方、電離圏で生じる雑音の帯域、恒星や太陽から届く雑音と衛星回線への影響を5つ並べ、遠方の雷の雑音がどの経路で届くかを取り違えた記述を選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-17 次の記述は、電波雑音について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 空電雑音のレベルは、熱帯地域では一般に雷が多く発生するので終日高いが、中緯度域では遠雷による空電雑音が主体となるので、日中は D 層による吸収を受けて低く、夜間は D 層の消滅に伴い高くなる。 2 空電雑音は、雷放電によって発生する衝撃性雑音であり、遠距離の無数の地点で発生する個々の衝撃性雑音電波が対流圏伝搬によって到来し、これらの雑音が重なりあって連続性雑音となる。 3 電離圏雑音には、超長波(VLF)帯で発生する連続性の雑音や、継続時間の短い散発性の雑音などがある。 4 太陽以外の恒星から発生する雑音は宇宙雑音といい、銀河の中心方向から到来する雑音が強い。 5 静止衛星からの電波を受信する際、春分及び秋分の前後数日間、地球局の受信アンテナの主ビームが太陽に向くときがあり、このときの強い太陽雑音により受信機出力の信号対雑音比(S/N)が低下したりすることがある。
出典: 令和2年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB201)A-17(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 2
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wavelane の解説(公式の解説ではありません)
空電・電離圏雑音・宇宙雑音・太陽雑音を並べた問題。遠くの雷の雑音は電離層で反射して届くので、対流圏の伝搬で届くとした記述が誤りである。
選択肢 1— 答えではない
正しい。中緯度では遠くの雷の雑音が主体で、昼は D 層で吸収されて弱く、夜は D 層が消えて吸収が減るので強くなる。熱帯は雷そのものが多い。
選択肢 2◎ これが答え
誤っている。空電は雷放電の衝撃性の雑音で、遠方で生じたものが重なって連続的な雑音になる点は正しいが、遠距離から届く経路は電離層での反射である。対流圏の伝搬では遠方の無数の雷の雑音は届かない。
選択肢 3— 答えではない
正しい。電離圏雑音には、超長波帯の連続的な雑音や、短い時間だけ現れる散発的な雑音がある。
選択肢 4— 答えではない
正しい。太陽以外の天体から届く雑音を宇宙雑音と呼び、星が集中する銀河の中心の方向が最も強い。
選択肢 5— 答えではない
正しい。春分と秋分の前後には、静止衛星と太陽が地球局から見てほぼ同じ方向に並ぶ日がある。主ビームに太陽が入ると強い雑音で S/N が下がる。
正答は選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- D 層の吸収で空電が昼に弱まる(選択肢1)のは、空電が電離層を経由して届くからである。選択肢1を正しいとしたなら、選択肢2の経路とは両立しない。
- 太陽雑音の影響が出るのは春分・秋分の前後である。夏至・冬至と取り違えない。
理由から確かめる
- 伝搬の特論電波雑音(空電・電離圏雑音・宇宙雑音・太陽雑音)・電離圏による減衰・電離層内の屈折・反射・地上・衛星間回線
- 電離層伝搬(MUF・跳躍距離)電離層内の屈折・反射
- 自由空間伝搬損失地上・衛星間回線