一陸技|無線工学B|過去問
令和2年1月期 A-2
要点(wavelane の要約): 使える周波数の幅を中心周波数で割った指標について、入力インピーダンスとの関係、素子の太さ、上限の値、方式ごとの大小関係を5つ並べ、広帯域の方式と狭帯域の方式の大小を逆に書いた記述を選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-2 次の記述は、アンテナの比帯域幅(使用可能な周波数帯域幅を中心周波数で割った値)について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 アンテナの入力インピーダンスが、周波数に対して一定である範囲が広いほど比帯域幅は大きくなる。 2 半波長ダイポールアンテナでは、太い素子より細い素子の方が比帯域幅は小さい。 3 比帯域幅は、パーセントで表示した場合、200〔%〕を超えることはない。 4 ディスコーンアンテナの比帯域幅は、スリーブアンテナの比帯域幅より大きい。 5 対数周期ダイポールアレーアンテナの比帯域幅は、八木・宇田アンテナ(八木アンテナ)の比帯域幅より小さい。
出典: 令和2年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB201)A-2(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 5
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wavelane の解説(公式の解説ではありません)
比帯域幅の定義と、素子の太さや方式による大小を並べた問題。広帯域が売りの対数周期と、狭帯域の八木・宇田の大小を逆にした記述が誤りである。
選択肢 1— 答えではない
正しい。入力インピーダンスが変わらなければ給電線との整合が保たれるので、整合の取れる周波数の範囲、つまり使える帯域が広くなる。
選択肢 2— 答えではない
正しい。素子が細いほど共振が鋭くなり、中心周波数から外れるとリアクタンスが急に増える。太い素子のほうが共振が緩やかで帯域が広い。
選択肢 3— 答えではない
正しい。帯域幅を f₂−f₁、中心周波数を (f₁+f₂)/2 とすると、比は 2(f₂−f₁)/(f₁+f₂) で、f₁ を零に近づけても 2(200%)が上限になる。
選択肢 4— 答えではない
正しい。ディスコーンは円板と円錐の組合せで数倍の周波数範囲にわたって使える。スリーブは半波長ダイポールと同程度の共振形で、帯域はずっと狭い。
選択肢 5◎ これが答え
誤っている。対数周期ダイポールアレーは、素子の長さと間隔を一定比で変えて動作する素子が周波数とともに移るので、非常に広い帯域で特性がほぼ一定になる。八木・宇田は導波器と反射器の長さで特性を合わせる共振形で、帯域は狭い。大小が逆である。
正答は選択肢 5 である。
つまずきやすい点
- 対数周期は「周波数に対して特性が周期的に繰り返す」構造で、広帯域アンテナの代表である。名前の印象で狭帯域と取り違えない。
- 比帯域幅は 200% を超えられないが、100% を超えることはある。上限を 100% と覚え違えると選択肢3を誤りと判断してしまう。