一陸技|無線工学B|過去問
平成30年7月期 A-12
要点(wavelane の要約): 方形導波管の細い側の壁に傾きを交互に変えた切れ目を並べたアンテナで、壁を流れる電流の向き、切れ目に垂直になる場の種類、隣どうしで打ち消し合う成分、残る偏波を組合せで答えさせる問題。FB701 A-13 と同じ題材で、選択肢の並びが違う。
原文(公式問題文)
A-12 次の記述は、図に示すスロットアレーアンテナから放射される電波の偏波について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、スロットアレーアンテナは xy 面に平行な面を大地に平行に置かれ、管内には TE10 モードの電磁波が伝搬しているものとし、管内波長は λg〔m〕とする。また、λg/2〔m〕の間隔で交互に傾斜方向を変えてスロットがあけられているものとする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) yz 面に平行な管壁には z 軸に[ A ]な電流が流れており、スロットはこの電流の流れを妨げるので、電波を放射する。 (2) 管内における y 軸方向の電界分布は、λg/2〔m〕の間隔で反転しているので、管壁に流れる電流の方向も同じ間隔で反転している。交互に傾斜角の方向が変わるように開けられた各スロットから放射される電波の[ B ]の方向は、各スロットに垂直な方向となる。 (3) 隣り合う二つのスロットから放射された電波の電界をそれぞれ y 成分と z 成分に分解すると、[ C ]は互いに逆向きであるが、もう一方の成分は同じ向きになる。このため、[ C ]が打ち消され、もう一方の成分は加え合わされるので、偏波は[ D ]となる。 A B C D 1 平行 電界 y 成分 垂直偏波 2 平行 電界 z 成分 水平偏波 3 平行 磁界 y 成分 垂直偏波 4 垂直 磁界 y 成分 水平偏波 5 垂直 電界 z 成分 垂直偏波
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 平成30年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB007)A-12(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
導波管の細い側の壁を流れる電流を、傾けた切れ目が横切ると放射が起きる。切れ目の傾きを交互に変えると、隣どうしで垂直成分が打ち消し合い、管軸方向の水平成分だけが残る。
- 空欄 A: 平行
- TE₁₀ モードでは、細い側の管壁(yz 面に平行な壁)を z 軸に平行な電流が流れる。この電流を斜めのスロットが断ち切るので放射が起きる。
- 空欄 B: 電界
- 細長いスロットから出る電波は、スロットの長辺に垂直な向きに電界を持つ。スロットを細長い磁流とみなすと、電界はそれに直交する。
- 空欄 C: z 成分
- λg/2 ごとに管壁電流の向きが反転し、スロットの傾きも交互に逆なので、隣どうしで電界の z 成分は逆向き、y 成分は同じ向きになる。打ち消されるのは z 成分である。
- 空欄 D: 水平偏波
- 残る y 成分は管軸方向で、導波管は xy 面を大地と平行にして置かれているので大地に平行な電界になる。偏波は水平偏波である。
この組合せになっているのは選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- FB701 A-13 と同じ題材で、選択肢の並びが違う。y 成分と z 成分のどちらが残るかは、大地に平行な軸がどれかで決まる。
- スロットからの放射を磁界の向きで考えると B を誤る。細長い開口では電界が短辺方向(開口を横切る向き)にできる。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路管内波長・スロットアレーアンテナ・導波管の伝送モード
- 導波管・遮断周波数管内波長・導波管の伝送モード
- 給電線と整合回路導波管の伝送モード