一陸技|無線工学B|過去問
平成30年7月期 A-2
要点(wavelane の要約): 遠方の電界の指向性が距離の影響を受けるかどうかと、短い電流素子と半波長の素子それぞれの指向性関数の形を選び分けさせる問題。2乗の有無と、余弦の中身が sin か cos かが誤答の軸になる。
原文(公式問題文)
A-2 次の記述は、図に示すような線状アンテナの指向性について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、電界強度の指向性関数を D(θ) とする。 (1) 十分遠方における電界強度の指向性は、D(θ) に比例し、距離に[ A ]。 (2) 微小ダイポールの D(θ) は、[ B ]と表され、また、半波長ダイポールアンテナの D(θ) は、近似的に[ C ]と表される。 A B C 1 関係しない sinθ cos((π/2)cosθ)/sinθ 2 関係しない sin²θ cos((π/2)sinθ)/sinθ 3 反比例する cos²θ cos((π/2)cosθ)/sinθ 4 反比例する sin²θ cos((π/2)sinθ)/sinθ 5 反比例する sinθ cos((π/2)sinθ)/sinθ
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 平成30年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB007)A-2(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 1
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
遠方の指向性は角度だけの関数で、距離には関係しない。微小ダイポールは sinθ、半波長ダイポールは cos((π/2)cosθ)/sinθ で、いずれも軸の方向(θ = 0)で零になる。
- 空欄 A: 関係しない
- 遠方の電界は「距離に反比例する大きさ」×「角度だけの関数」に分けられる。指向性はこの角度の関数の形なので、距離には関係しない。距離に反比例するのは電界の強さの方である。
- 空欄 B: sinθ
- 電流素子の軸から θ の方向へ出る電界は、素子を真横から見た長さに比例して sinθ になる。sin²θ は電力の指向性で、電界ではない。
- 空欄 C: cos((π/2)cosθ)/sinθ
- 半波長の素子に余弦の電流分布を置いて各部分の寄与を足し合わせると、cos((π/2)cosθ)/sinθ になる。θ = π/2(真横)で1、θ = 0 で零になることで確かめられる。
この組合せになっているのは選択肢 1 である。
つまずきやすい点
- θ を地面からの仰角と読むと sin と cos が入れ替わる。この問題の θ は図のとおりアンテナの軸から測った角である。
- cos((π/2)sinθ)/sinθ は θ = π/2 で cos(π/2) = 0 になり、真横で零という逆の形になってしまう。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑指向性関数・半波長ダイポールアンテナ・微小ダイポール
- アンテナの指向性パターン指向性関数・半波長ダイポールアンテナ・微小ダイポール
- アンテナ利得半波長ダイポールアンテナ・微小ダイポール