一陸技|無線工学B|過去問
平成30年1月期 A-14
要点(wavelane の要約): 中波と短波の伝わり方について、E層で反射する中波の昼夜差、地表波の減衰の偏波による違い、陸上と海上の違い、短波が臨界周波数などで時間帯ごとに変わること、短波が電離層の異常現象を受けやすいことを並べ、偏波による大小を逆にした記述を選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-14 次の記述は、中波(MF)帯及び短波(HF)帯の電波の伝搬について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 MF 帯の E 層反射波は、日中はほとんど使えないが、夜間は D 層の消滅により数千キロメートル伝搬することがある。 2 MF 帯の地表波の伝搬損は、垂直偏波の場合の方が水平偏波の場合より大きい。 3 MF 帯の地表波は、伝搬路が陸上の場合よりも海上の場合の方が遠方まで伝搬する。 4 HF 帯では、電離層の臨界周波数などの影響を受け、その伝搬特性は時間帯や周波数などによって大きく変化する。 5 HF 帯では、MF 帯に比べて、電離層嵐(磁気嵐)やデリンジャー現象などの異常現象の影響を受けやすい。
出典: 平成30年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB001)A-14(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 2
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wavelane の解説(公式の解説ではありません)
中波・短波の伝わり方の誤り選択。中波の地表波は大地に沿って進むとき、水平偏波の方が大きく減衰する。垂直偏波の方が大きいとした記述2が誤り。
選択肢 1— 答えではない
昼間は D 層が中波を吸収するので E 層反射波は届きにくいが、夜は D 層が消えて遠距離まで届くことがある。正しい。
選択肢 2◎ これが答え
誤っている。水平偏波の電界は大地に平行で、導体に近い大地にほぼ短絡されて急に弱まる。地表波で減衰が大きいのは水平偏波の方で、中波放送が垂直偏波を使う理由でもある。
選択肢 3— 答えではない
海水は陸地より導電率がずっと高く、地表波の減衰が小さいので、海上の方が遠くまで届く。正しい。
選択肢 4— 答えではない
短波は電離層で反射されて届くので、臨界周波数や MUF の日変化・季節変化によって使える周波数と伝わり方が大きく変わる。正しい。
選択肢 5— 答えではない
短波は電離層反射に頼るので、D 層の吸収が急に増えるデリンジャー現象や、F 層が乱れる電離層嵐の影響を中波より強く受ける。正しい。
正答は選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- FB707 B-4 ではこの偏波の比較が正誤の1記述として出ている。中波の送信アンテナが垂直に立てた大きな鉄塔であることを思い出すと、垂直偏波が有利な側だと判断できる。
- 記述1の「日中は使えない」を言い過ぎと見て誤りにしやすいが、昼の中波は D 層吸収で E 層反射がほとんど届かないので、これは正しい。
理由から確かめる
- 伝搬の特論地表波・電離圏による減衰・電離層内の屈折・反射・太陽フレアと黒点活動
- 電離層伝搬(MUF・跳躍距離)電離層内の屈折・反射