一陸技|無線工学B|過去問
平成30年1月期 A-9
要点(wavelane の要約): 2本の導波管を斜めに重ねて共通の壁に孔を1つあけた方向性結合器の図について、重ねる面、電界と磁界による結合で生じる波の進み方、交差角を調整して片方向だけに出すしくみ、それぞれの結合の大きさと交差角の関係を述べた記述から誤りを選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-9 次の記述は、図に示す主導波管と副導波管を交差角 θ を持たせて重ね合わせて結合孔を設けたベーテ孔方向性結合器について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。ただし、導波管内の伝送モードは、TE10 とし、θ は 90 度より小さいものとする。 1 主導波管と副導波管は、H 面を重ね合わせる。 2 磁界結合した電磁波が副導波管内を対称に両方向に進み、また、電界結合した電磁波が副導波管を一方向に進む性質を利用する。 3 θ をある一定値にすることで、電界結合して左右に進む一方の電磁波を磁界結合した電磁波で打ち消すと同時に他方向の電磁波に相加わるようにする。 4 磁界結合した電磁波の大きさは、cosθ にほぼ比例して変わる。 5 電界結合した電磁波の大きさは、θ に無関係である。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 平成30年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB001)A-9(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
ベーテ孔方向性結合器の誤り選択。結合孔を通る電界結合の波は副導波管の両方向へ対称に進み、磁界結合の波は向きによって符号が変わる。この役割を入れ替えた記述2が誤り。
選択肢 1— 答えではない
2本の導波管は広い方の壁(H面)どうしを重ね、その共通の壁に孔をあける。正しい。
選択肢 2◎ これが答え
誤っている。両方向へ対称に進むのは電界結合した波で、磁界結合した波は進む向きによって位相が逆になる。記述は2つの結合の振る舞いを入れ替えている。
選択肢 3— 答えではない
交差角を選ぶと、一方の向きでは電界結合と磁界結合の波が打ち消し合い、反対の向きでは強め合う。これが方向性の由来で、正しい。
選択肢 4— 答えではない
磁界結合は2本の管の磁界の向きの重なり方で決まるので、交差角の余弦にほぼ比例する。正しい。
選択肢 5— 答えではない
電界は広い壁に垂直なので、管をどの角度で重ねても孔を通る電界の結合は変わらない。正しい。
正答は選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- FB807 A-8 は同じ図で別の記述が誤りだった。電界結合は角度に無関係で両方向、磁界結合は cosθ で向きによって符号が変わる、という対を1組で覚える。
- 記述3は記述2の前提が正しいかどうかに関係なく、打ち消しで方向性を作るという仕組みとしては正しい。記述3と記述2を同時に誤りと考えない。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路方向性結合器・導波管の伝送モード
- 導波管・遮断周波数導波管の伝送モード
- 給電線と整合回路導波管の伝送モード