一陸技|無線工学B|過去問
平成29年7月期 A-15
要点(wavelane の要約): 地上の移動通信で、速い変動の速さと周波数の関係、区間ごとの中央値が従う分布、到来時間の差が生むフェージングの種類と、それが問題になりにくい伝送の帯域を組合せで答えさせる問題。
原文(公式問題文)
A-15 次の記述は、陸上の移動体通信の電波伝搬特性について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 基地局から送信された電波は、陸上移動局周辺の建物などにより反射、回折され、定在波を生じ、この定在波中を移動局が移動すると、受信波にフェージングが発生する。この変動を瞬時値変動といい、レイリー分布則に従う。一般に、周波数が[ A ]ほど、また移動速度が速いほど変動が速いフェージングとなる。 (2) 瞬時値変動の数十波長程度の区間での中央値を短区間中央値といい、基地局からほぼ等距離の区間内の短区間中央値は、[ B ]に従い変動し、その中央値を長区間中央値という。長区間中央値は、移動局の基地局からの距離を d とおくと、一般に Xd^(-α) で近似される。ここで、X 及び α は、送信電力、周波数、基地局及び移動局のアンテナ高、建物高等によって決まる。 (3) 一般に、移動局に到来する多数の電波の到来時間に差があるため、帯域内の各周波数の振幅と位相の変動が一様ではなく、[ C ]フェージングを生ずる。[ D ]伝送の場合には、その影響はほとんどないが、一般に、高速デジタル伝送の場合には、伝送信号に波形ひずみを生ずることになる。多数の到来波の遅延時間を横軸に、各到来波の受信レベルを縦軸にプロットしたものは伝搬遅延プロファイルと呼ばれ、多重波伝搬理論の基本特性の一つである。 A B C D 1 高い 指数分布則 周波数選択性 広帯域 2 高い 対数正規分布則 周波数選択性 狭帯域 3 低い 指数分布則 周波数選択性 広帯域 4 低い 対数正規分布則 シンチレーション 狭帯域 5 低い 指数分布則 シンチレーション 広帯域
出典: 平成29年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB907)A-15(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
移動通信のフェージングを、レイリー分布の瞬時変動、対数正規分布の短区間中央値、距離の累乗で減る長区間中央値の3層で読む。到来時間差による周波数選択性フェージングは、帯域の狭い伝送では効きにくい。
- 空欄 A: 高い
- 定在波の山と谷の間隔は半波長である。周波数が高いほど波長が短く、同じ速さで動いても山谷を通る回数が増えて変動が速くなる。
- 空欄 B: 対数正規分布則
- 建物などによる遮へいの度合いが場所ごとに変わるため、短区間中央値はデシベルで見て正規分布、つまり対数正規分布に従う。
- 空欄 C: 周波数選択性
- 到来時間の違う波が重なると、周波数ごとに強め合ったり弱め合ったりするので、帯域内で振幅と位相の変化がそろわない。シンチレーションは屈折率のゆらぎによる別の現象である。
- 空欄 D: 狭帯域
- 帯域が狭ければ、帯域内の周波数はほぼ同じように変動するので、波形のひずみはほとんど生じない。高速デジタル伝送のように帯域が広いと影響が出る。
この組合せになっているのは選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- 瞬時値=レイリー、短区間中央値=対数正規、の対応を入れ替えない。
- 指数分布はレイリー分布に従う振幅の2乗(電力)が従う分布で、中央値の変動を表すものではない。
理由から確かめる
- 伝搬の特論伝搬遅延プロファイル・周波数選択性フェージング・対数正規分布則の中央値変動・レイリー分布則の瞬時変動