一陸技|無線工学B|過去問
令和8年7月期 A-20
要点(wavelane の要約): 不平衡の測定器で平衡アンテナを測るときに生じる誤差と、地板を使って半分だけ作る代替法、そのとき読み値をどう換算するかを答えさせる問題。
原文(公式問題文)
A-20 次の記述は、平衡給電のアンテナの入力インピーダンス測定法について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 一般にネットワークアナライザは不平衡系であり、ネットワークアナライザで[ A ]アンテナのような平衡給電のアンテナのインピーダンスを測定する場合、付属の不平衡ケーブルを直接接続するとアンテナ上で電流の不平衡が生じ、測定ケーブルに漏洩電流が流れて誤差を生じる。このためバランを用いて対応しているが、バランの周波数特性により適用範囲が限定されたり、その効果を定量的に把握するのが難しいので、バランを測定周波数帯毎に変えて繰り返し測定する必要がある。 (2) バランを用いないで測定する場合は、測定するアンテナを地板の上に構成すればよい。図1 に示す給電点で対称な構造をもつ方形ループアンテナの場合は、図2に示すように、図1の方形ループアンテナの縦方向の長さ l〔m〕の上半分(l/2)を地板の上に設置すれば、地板の[ B ]効果を利用して測定できる。この状態で測定したインピーダンスは、自由空間に方形ループアンテナがある場合の測定値の[ C ]倍になる。ただし、地板の半径 r〔m〕を少なくとも2 波長以上にする。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C 1 半波長ダイポール イメージ(影像) 2 2 半波長ダイポール イメージ(影像) 1/2 3 半波長ダイポール 回折 2 4 逆L 形 イメージ(影像) 2 5 逆L 形 回折 1/2
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和8年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB807)A-20(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
平衡給電アンテナのインピーダンスを、バランを使わずに地板の上で測る方法。半分だけ作って全体を模擬する。
- 空欄 A: 半波長ダイポール
- 給電点をはさんで左右対称に電流が流れる形が平衡給電である。逆L形は一端を接地する不平衡な構造なので、この問題の前提に当たらない。
- 空欄 B: イメージ(影像)
- 十分広い導体板の上に置くと、板の下に鏡像ができて、無い半分がある場合と同じ電磁界になる。回折は障害物を回り込む別の現象。
- 空欄 C: 1/2
- 実際に給電しているのは全体の半分なので、同じ電流に対する電圧も半分になる。したがって測った値は自由空間での値の半分になり、2倍して元へ戻す。
この組合せになっているのは選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- 測定値が半分になるので、自由空間の値へ直すには2倍する。掛ける向きを逆にしない。
- 地板を十分広く(波長の数倍以上)取らないと鏡像が成り立たない。問題文が半径の条件を付けているのはそのためである。
理由から確かめる
- アンテナ・電波測定の基礎バラン(平衡不平衡変換器)・イメージ(影像)効果・入力インピーダンス・ネットワークアナライザ
- アンテナの基礎イメージ(影像)効果・入力インピーダンス
- アンテナ方式図鑑イメージ(影像)効果・入力インピーダンス