一陸技|無線工学B|過去問
令和7年7月期 A-19
要点(wavelane の要約): 電波を反射させずに吸わせる材料の性質を5つ並べ、使われる材料の種類、偏波ごとの一様さの難しさ、形状や多層化による広帯域化が正しく並ぶ中から、真正面での性能をそのまま斜めの入射へ広げてしまっている記述を選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-19 次の記述は、電波吸収体の一般的な特徴について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 電波吸収体には導電性材料、誘電性材料または磁性材料が使われている。 2 垂直方向からの入射波に対してほとんど反射が無い良好な電波吸収体は、あらゆる入射角度に対しても良好な吸収特性を示す。 3 あらゆる偏波の入射波に対して一様な吸収特性を持たせることは難しい。 4 電波吸収体は、表面をくさび形にしたり、あるいは吸収量の異なる材料を多層構造にしたりして、広い周波数帯域で吸収特性を良くすることができる。 5 誘電性材料と磁性材料を組み合わせることにより、各々の材料を単独で用いる場合に比べて広い周波数帯域で良好な吸収特性を持つ電波吸収体を構成することができる。
出典: 令和7年7月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB707)A-19(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
電波を反射させずに吸わせる材料の性質を5つ並べ、誤りを1つ選ぶ。正面で測った性能をそのまま斜めの入射へ広げてよいかが決め手になる。
選択肢 1— 答えではない
電流を流して熱に変える材料、分極の遅れで熱に変える材料、磁化の遅れで熱に変える材料のいずれもが使われる。損失を作る仕組みが 3 通りあるという整理として正しい。
選択肢 2◎ これが答え
正面から入るときに反射が消えるように厚さと材質を選んでも、斜めに入れば材料の中を通る距離が変わり、境界で見える波のインピーダンスも偏波によって変わる。したがって条件は崩れ、反射が現れる。1 つの入射角で追い込んだ性能を、あらゆる角度へそのまま広げている点が誤りである。
選択肢 3— 答えではない
境界で見える波のインピーダンスは偏波によって違うので、同じ材料で両方をそろって吸わせるのは難しい。選択肢2の裏返しにあたる記述で、正しい。
選択肢 4— 答えではない
表面をとがった形に刻むと、空気から材料へ性質が少しずつ移り変わるので、反射を起こす急な段差が無くなる。吸収の度合いが違う材料を重ねる方法も同じ狙いで、どちらも広い周波数範囲で効かせるための工夫である。正しい。
選択肢 5— 答えではない
電界側で損失を作る材料と磁界側で損失を作る材料を組み合わせると、両者の効きやすい周波数がずれているぶん、合わせた特性は広い範囲で平らになる。正しい。
正答は選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- 吸収体の性能は入射角と偏波の関数である。垂直入射の 1 点で測った値を、そのまま全条件へ広げない。
- とがった形や多層構造が効くのは、境目の段差をなだらかにするためである。厚くすればよいという話ではない。
理由から確かめる
- アンテナ・電波測定の基礎透磁率・電波吸収体・反射係数・比誘電率
- 給電線と整合回路反射係数・比誘電率
- アンテナ方式図鑑比誘電率