一陸技|無線工学B|過去問
令和6年1月期 B-4
要点(wavelane の要約): 地上と衛星を結ぶ回線について、大気中の減衰が仰角でどう変わるか、電離圏の減衰と屈折率が周波数でどちらへ向かうか、電子密度の揺らぎが起こす変動の速さと呼び名を語群から選ばせる問題。
原文(公式問題文)
B-4 次の記述は、地上と衛星間の電波伝搬における対流圏及び電離圏の影響について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。 (1) 大気による減衰は、晴天時の水滴を含まない大気の場合には、衛星の仰角が[ ア ]ほど大きくなる。 (2) 電離圏による第 1 種減衰は、超短波(VHF)帯以上の周波数では、周波数が高くなるほど[ イ ]する。 (3) 電離圏の屈折率は、周波数が[ ウ ]なると 1 に近づく。 (4) 電波が電離圏を通過する際、電子密度の時間的、空間的な揺らぎにより、その振幅、位相などに[ エ ]の不規則な変動を生ずる場合があり、これを[ オ ]という。 1 高い 2 減少 3 低く 4 短周期 5 デリンジャー現象 6 低い 7 増大 8 高く 9 長周期 10 電離圏シンチレーション
出典: 令和6年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB601)B-4(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 6/イ 2/ウ 8/エ 4/オ 10
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
地上と衛星を結ぶ回線が受ける対流圏と電離圏の影響。突き抜ける回線なので、反射する回線とは効き方が変わる。
- ア: 解答 6(低い)
- 仰角が低いほど、電波が大気の中を斜めに長く通ることになる。通る距離が延びるぶん減衰も大きくなる。真上に見えるときが最小になる。
- イ: 解答 2(減少)
- 電離圏を突き抜けるときの減衰は、周波数が高いほど小さい。電子が電界に揺さぶられて動く量が周波数とともに減るためで、衛星回線に高い周波数を使う理由のひとつになっている。
- ウ: 解答 8(高く)
- 電離圏の屈折率は、周波数が高くなるほど 1 に近づく。1 に近いということは曲がらずまっすぐ突き抜けるということで、衛星回線が成り立つ条件そのものである。
- エ: 解答 4(短周期)
- 電子密度のゆらぎは細かく速く動くので、振幅や位相の変動も速い。日変化のようなゆっくりした変動とは別物である。
- オ: 解答 10(電離圏シンチレーション)
- 星がまたたいて見えるのと同じ理屈で、電子密度のむらを通るたびに信号が揺らぐ現象である。デリンジャー現象は太陽面の爆発による短波帯の急な減衰で、原因も時間の尺度も違う。
ア〜オの解答は 6・2・8・4・10 である。
つまずきやすい点
- 突き抜けるときの減衰と、反射するときの減衰は別に数える。衛星回線は突き抜ける側なので、周波数を上げれば小さくなる。
- デリンジャー現象は数十分から数時間続く短波帯の障害である。数秒以下で揺れるシンチレーションと取り違えない。
理由から確かめる
- 伝搬の特論大気ガスによる吸収・減衰・電子密度・電離圏による減衰・屈折率・地上・衛星間回線・シンチレーション
- 電離層伝搬(MUF・跳躍距離)電子密度・屈折率
- 電波の見通し距離屈折率