一陸技|無線工学B|過去問
令和6年1月期 A-10
要点(wavelane の要約): 給電線を使わずに電波の通り道を折り曲げる板について、励振側との距離でどう呼び分けるか、利得が何で決まるか、運用上どこに注意するかを5つ並べ、誤りを1つ選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-10 次の記述は、マイクロ波中継回線などで用いられる無給電アンテナの一種である平面反射板について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 平面反射板と入射波の波源となる励振アンテナとの距離がフラウンホーファ領域にあるものを近接形平面反射板という。 2 平面反射板は、給電線を用いないので給電線で生ずる損失がなく、ひずみの発生なども少ない。 3 平面反射板により電波通路を変えて通信回線を構成する場合、熱雑音の増加、偏波面の調整、他回線への干渉などに注意する必要がある。 4 励振アンテナに近接して平面反射板を設けて電波通路を変える場合、この複合アンテナ系の利得は、励振アンテナと平面反射板との距離、平面反射板の面積と励振アンテナの開口面積との比などで決まる。 5 遠隔形平面反射板の受信利得は、電波の入射方向より見た平面反射板の有効開口面積と使用波長で決まる。
出典: 令和6年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB601)A-10(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 1
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
給電線を使わずに電波の通り道を折り曲げる板の性質を問う。近接形と遠隔形の呼び分けが、励振側との距離のどちらに対応するかで決まる。
選択肢 1◎ これが答え
呼び分けが逆である。フラウンホーファ領域は波面がほぼ平面とみなせる遠方の領域で、そこに反射板があるものは遠隔形と呼ぶ。近接形は励振アンテナのすぐ近く、放射近傍(フレネル領域)に置いた場合を指す。
選択肢 2— 答えではない
板を置くだけなので給電線が要らず、線路で生じる損失もひずみも持ち込まない。無給電で使う利点として正しい。
選択肢 3— 答えではない
通路を折り曲げると、板の向きによって偏波面が回り、他の回線へ電波が向く可能性も出る。運用上の注意として正しい。
選択肢 4— 答えではない
近接形では板と励振アンテナが一体の複合アンテナとして働くので、両者の距離や開口面積の比で利得が決まる。正しい。
選択肢 5— 答えではない
遠隔形では板が独立した1つのアンテナとして扱える。受信利得が有効開口面積と波長で決まる(4πAe/λ²)のは正しい。
正答は選択肢 1 である。
つまずきやすい点
- フレネル領域は近い側、フラウンホーファ領域は遠い側。近接形と遠隔形の対応をここで入れ替えた記述が出題される。
- 近接形は励振アンテナと一体の複合系、遠隔形は独立したアンテナ2つぶんとして扱う。利得の決まり方が違うことをセットで覚える。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑実効面積・近傍界・遠方界の領域・平面反射板(無給電アンテナ)
- アンテナ・電波測定の基礎実効面積・近傍界・遠方界の領域
- アンテナ利得実効面積