一陸技|無線工学B|過去問
令和5年7月期 第2回 B-5
要点(wavelane の要約): マイクロ波の素子の測定について、測る項目の種類、利得が未知の3本で利得を出せるか、円偏波の素子の測り方、指向性を測るときに離すべき最小距離と波長の関係、縮小模型で測るときの周波数の向きを、記述ごとに正誤で答えさせる問題。
原文(公式問題文)
B-5 次の記述は、マイクロ波アンテナの測定について述べたものである。このうち正しいものを 1、誤っているものを 2 として解答せよ。 ア アンテナの測定項目には、入力インピーダンス、利得、指向性、偏波などがある。 イ 三つのアンテナを用いる場合、これらのアンテナの利得が未知であっても、それぞれの利得を求めることができる。 ウ 円偏波アンテナの測定をする場合には、円偏波の電波を送信して測定することができるほか、直線偏波のアンテナを送信アンテナに用い、そのビーム軸のまわりに回転させながら測定することもできる。 エ 開口面アンテナの指向性を測定する場合の送受信アンテナの離すべき最小距離は、開口面の大きさと関係し、使用波長に関係しない。 オ 大形のアンテナの測定を電波暗室で行えない場合には、アンテナの寸法を所定の大きさまで縮小し、本来のアンテナの使用周波数に縮小率を掛けた低い周波数で測定する。
出典: 令和5年7月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB508)B-5(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 1/イ 1/ウ 1/エ 2/オ 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
マイクロ波アンテナの測定法を5つ並べ、記述ごとに正誤を答える。最小測定距離に波長が入ることと、縮小模型では周波数を上げることが分かれ目になる。
- ア: 解答 1(正しい)
- 正しい。アンテナの性能は、給電線との整合のよさ(インピーダンス)、どれだけ集中して出すか(利得と指向性)、電界の向き(偏波)で表されるので、どれも代表的な測定項目である。
- イ: 解答 1(正しい)
- 正しい。3本のアンテナから2本ずつ組を作って3回測ると、利得の積が3通り得られる。未知数3つに式3つなので、標準アンテナが無くても各利得を解ける。これが三アンテナ法である。
- ウ: 解答 1(正しい)
- 正しい。円偏波の電波で直接測るほか、直線偏波の送信アンテナをビーム軸のまわりに回しながら受信レベルの変化を見る方法もある。最大と最小の比から軸比も分かる。
- エ: 解答 2(誤っている)
- 誤っている。開口面の縁から来る波と中心から来る波の通路差を一定以下に抑える条件から決まる距離なので、開口の大きさの2乗を波長で割った形になる。波長が短いほど遠くまで離す必要がある。
- オ: 解答 2(誤っている)
- 誤っている。寸法を縮めたなら、波長も同じ割合で縮めなければ電気的に同じ形にならない。つまり周波数は縮小率で割った高い周波数にする。低い周波数で測るのは逆である。
ア〜オの解答は 1・1・1・2・2 である。
つまずきやすい点
- 最小測定距離の目安は 2D²/λ である。波長が分母にあることを、通路差の考え方から思い出せるようにしておく。
- 模型を1/10に縮めたら周波数は10倍にする。寸法と波長の比を保つ、と考えれば向きを間違えない。
理由から確かめる
- アンテナ・電波測定の基礎円偏波・アンテナ利得の測定・最小測定距離 Rmin = 2D²/λ・模型を用いたアンテナ測定・三アンテナ法
- アンテナ方式図鑑円偏波
- マクスウェルの方程式 徹底解説円偏波