一陸技|無線工学B|過去問
令和5年7月期 第1回 A-9
要点(wavelane の要約): 多数の送信機を1本のアンテナへまとめる装置について、防ぎたい変調の呼び名、送信機どうしを切り離す量の呼び名、分岐点から各フィルタまでの線路長を1/4波長の何倍に選ぶかを組合せで答えさせる問題。FB707 A-9 と同じ装置で、問う空欄の切り方が違う。
原文(公式問題文)
A-9 次の記述は、図に示す帯域フィルタ(BPF)を用いた送信アンテナ共用装置について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) 移動体通信などの1つの基地局に多数の無線チャネルが用いられ多数の送信アンテナが設置される場合、送信電波の[ A ]変調を防止するため、送信アンテナ相互間で所要の[ B ]を得る必要がある。この[ B ]は、アンテナを垂直又は水平に、一定の間隔をおいて配置することにより得られるが、送信アンテナの数が多くなると広い場所が必要になるため、送信アンテナ共用装置が用いられることが多い。 (2) 1 つの送信機出力は、サーキュレータとその送信周波数の帯域フィルタを通ってアンテナに向かう。他の送信機に対しては、分岐結合回路の分岐点から各帯域フィルタまでの線路の長さを送信波長の 1/4 の[ C ]とし、先端を短絡した 1/4 波長の[ C ]の長さの給電線と同じ働きになるようにして、分岐点から見たインピーダンスが無限大になるようにしている。 (3) しかし、一般に分岐点から見たインピーダンスが無限大になることはないので、他の 3 つの送信周波数のそれぞれの帯域フィルタのみでは十分な[ B ]が得られない。このため、さらにサーキュレータに接続された吸収抵抗で消費させ、他の送信機への回り込みによる再放射を防いでいる。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C 1 相互 結合減衰量 奇数倍 2 相互 耐電力 偶数倍 3 相互 結合減衰量 偶数倍 4 過 耐電力 偶数倍 5 過 結合減衰量 奇数倍
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和5年7月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB507)A-9(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 1
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
送信アンテナ共用装置は、送信機どうしの相互変調を防ぐために必要な結合減衰量を、帯域フィルタと分岐点までの線路長、サーキュレータの吸収抵抗で確保する。
- 空欄 A: 相互
- 複数の送信波が互いに他の送信機へ入り込み、送信機の非線形性で混ざると不要な周波数が生まれる。これが相互変調で、防ぎたいのはこれである。
- 空欄 B: 結合減衰量
- 送信アンテナ相互間でどれだけ電力が漏れにくいかを表す量が結合減衰量である。耐電力は1つの系統が扱える電力の上限で、切り離しの指標ではない。
- 空欄 C: 奇数倍
- 先端を短絡した線路は、1/4波長の奇数倍の長さで入力側から見るとインピーダンスが無限大になる。偶数倍だと短絡に戻ってしまう。
この組合せになっているのは選択肢 1 である。
つまずきやすい点
- 短絡線路の入力が開放に見えるのは1/4波長の奇数倍、偶数倍(半波長の整数倍)では短絡のまま。
- FB707 A-9 では空欄 C が「1/4」そのものだった。同じ装置でも空欄の切り方が変わるので、字句ではなく理屈で選ぶ。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路送信アンテナ共用装置・サーキュレータ・結合減衰量・相互変調・短絡給電線(短絡スタブ)の入力インピーダンス
- 給電線と整合回路短絡給電線(短絡スタブ)の入力インピーダンス