一陸技|無線工学B|過去問
令和5年1月期 第2回 A-4
要点(wavelane の要約): 利得の2つの基準の差、等方性アンテナを半波長素子基準で見た値、不整合による目減りの表し方、放射効率が1のときの一致、微小ダイポールとの差を5つ並べ、不整合の補正量の定義式を取り違えた記述を選ばせる問題。FB707 A-4 と同じ5項目で、誤りの置き場所が違う。
原文(公式問題文)
A-4 次の記述は、アンテナの利得について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 相対利得の値は、絶対利得の値より約 2.15〔dB〕小さい。 2 等方性アンテナの相対利得は、約 0.6(真数)である。 3 アンテナが給電回路と整合しているときのアンテナの利得を G(真数)、不整合のときの反射損を M(真数)とすれば、アンテナの動作利得は、G/M と表される。ただし、Γ を反射係数とすれば、M = 1 -|Γ|² である。 4 放射効率が 1 のアンテナの絶対利得は、指向性利得に等しい。 5 微小ダイポールの相対利得の値は、半波長ダイポールアンテナの相対利得の値より約 0.39〔dB〕低い。
出典: 令和5年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB502)A-4(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 3
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
不整合のときの反射損は、1から反射電力の割合を引いた量の逆数として1以上に定義する。この定義なら整合時の利得を割って動作利得になる。選択肢3はこの逆数を取り忘れている。
選択肢 1— 答えではない
正しい。相対利得は半波長ダイポールを基準にし、絶対利得は等方性アンテナを基準にする。半波長ダイポールの絶対利得が約2.15 dB なので、相対利得はその分だけ小さい。
選択肢 2— 答えではない
正しい。等方性アンテナを半波長ダイポール基準で測ると 1/1.64 ≒ 0.61 になる。
選択肢 3◎ これが答え
誤り。動作利得を G/M と書くなら、M は 1/(1 − |Γ|²) と1以上に定義しなければならない。1 − |Γ|² は1以下なので、これで割ると不整合のほうが利得が大きくなってしまう。
選択肢 4— 答えではない
正しい。絶対利得は指向性利得に放射効率を掛けたものなので、損失が無ければ両者は一致する。
選択肢 5— 答えではない
正しい。微小ダイポールの絶対利得1.5と半波長ダイポールの1.64の比をデシベルにすると約0.39 dB で、微小ダイポールのほうが低い。
正答は選択肢 3 である。
つまずきやすい点
- FB707 A-4 では2つの利得の大小を逆にした記述が誤りだった。同じ5項目でも誤りの置き場所は期によって違う。
- 反射損を「1から反射の割合を引いた値」と覚えると、掛けるのか割るのかが逆になる。割る形なら M は1以上である。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑アンテナ利得・半波長ダイポールアンテナ・微小ダイポール・等方性アンテナ
- アンテナ利得アンテナ利得・半波長ダイポールアンテナ・微小ダイポール・等方性アンテナ
- アンテナの指向性パターンアンテナ利得・半波長ダイポールアンテナ・微小ダイポール・等方性アンテナ