一陸技|無線工学B|過去問
令和4年7月期 第1回 A-11
要点(wavelane の要約): レンズの中を通る経路と外を通る経路で波源から出口までの時間が等しいと置き、速さの比で屈折率を書いて、レンズ面までの距離を角度の関数として求める3段階の穴埋め問題。
原文(公式問題文)
A-11 次の記述は、図に示す誘電体レンズの波源 O から誘電体上の点 P までの距離を求める式の算出について述べたものである[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、中心線 R'F の延長線上の O からレンズ面上の点 F 及び点 P までの距離を、それぞれ l〔m〕及び r〔m〕とし、OF と OP のなす角を θ 度とする。 (1) 自由空間の伝搬速度を Vo〔m/s〕、誘電体中の伝搬速度を Vd〔m/s〕とすれば、O から発射された電波が点 R と点 R'に到達する時間は等しくなければならないので、次式が成り立つ。 l/Vo + [ A ] = r/Vo〔s〕・・・① (2) 誘電体レンズの屈折率を n とすれば、次式の関係がある。 n = [ B ] ・・・② したがって、式②を式①に代入すれば、r は次式となる。 r = [ C ]〔m〕
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C 1 (r cosθ + l)/Vd Vd/Vo (n-1)l/(n - cosθ) 2 (r cosθ + l)/Vd Vo/Vd (n+1)l/(1 - n cosθ) 3 (r cosθ - l)/Vd Vd/Vo (n-1)l/(n - cosθ) 4 (r cosθ - l)/Vd Vo/Vd (n-1)l/(n cosθ - 1) 5 (r cosθ - l)/Vd Vd/Vo (n+1)l/(n cosθ - 1)
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和4年7月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB407)A-11(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 4
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
R と R' へ着く時間を等しく置き、屈折率 n=Vo/Vd を使って Vd を消す。整理すると r=(n−1)l/(n cosθ−1) になり、レンズ面が双曲線であることが分かる。
- 空欄 A: (r cosθ - l)/Vd
- 中心線上の電波は F から R' まで誘電体の中を進む。その長さは、P の中心線方向の位置 r cosθ から OF=l を引いたもので、誘電体中の速さで割ると所要時間になる。
- 空欄 B: Vo/Vd
- 屈折率は、自由空間の速さが媒質中の速さの何倍かを表す。誘電体の中では遅くなるので、n は1より大きい Vo/Vd である。
- 空欄 C: (n-1)l/(n cosθ - 1)
- 式①に Vo を掛けて Vo/Vd を n に置き換えると、l+n(r cosθ−l)=r になる。r の項を集めると r(n cosθ−1)=(n−1)l が得られる。
この組合せになっているのは選択肢 4 である。
つまずきやすい点
- 屈折率を Vd/Vo と逆にすると1より小さくなり、誘電体で電波が遅れるという前提と合わない。
- C の分母を n−cosθ と書いた選択肢は、整理の途中で cosθ の掛かる項を取り違えた形である。
理由から確かめる
- アンテナ方式図鑑誘電体レンズアンテナ・平面波・屈折率
- マクスウェルの方程式 徹底解説平面波・屈折率
- アンテナ・電波測定の基礎平面波