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wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

令和3年7月期 第2回 B-5

要点(wavelane の要約): 小さなアンテナに金属のふたをかぶせると放射が止まり損失分だけが残ることを使って、入力インピーダンスのどの成分を測るか、ふたを外したときの値、そこから出す放射効率の式、反射電力から出す式の分母、電圧反射係数で書いた式を語群から選ばせる問題。

FB308 B-55点(ア〜オ 各1点)

原文(公式問題文)

B-5 次の記述は、図に示す Wheeler cap(ウィーラー・キャップ)法による小形アンテナの放射効率の測定について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、金属の箱及び地板の大きさ及び材質は、測定条件を満たしており、アンテナの位置は、箱の中央部に置いて測定するものとする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) 入力インピーダンスから放射効率を求める方法  地板の上に置いた被測定アンテナに、アンテナ電流の分布を乱さないよう適当な形及び大きさの金属の箱をかぶせて隙間がないように密閉し、被測定アンテナの入力インピーダンスの[ ア ]を測定する。このときの値は、アンテナの放射抵抗が無視できるので損失抵抗 Rl〔Ω〕とみなすことができる。  次に、箱を取り除いて、同様に、入力インピーダンスの[ ア ]を測定する。このときの値は、被測定アンテナの放射抵抗を Rr〔Ω〕とすると[ イ ]〔Ω〕となる。  金属の箱をかぶせないときの入力インピーダンスの[ ア ]の測定値を Rin〔Ω〕、かぶせたときの入力インピーダンスの[ ア ]の測定値を R′in〔Ω〕とすると、放射効率 η は、η = [ ウ ]で求められる。  ただし、金属の箱の有無にかかわらず、アンテナ電流を一定とし、被測定アンテナは直列共振形とする。また、給電線の損失はないものとする。 (2) 電圧反射係数から放射効率を求める方法  金属の箱をかぶせないときの送信機の出力電力を Po〔W〕、被測定アンテナの入力端子からの反射電力を Pref〔W〕、(1)と同じように被測定アンテナに金属の箱をかぶせたときの送信機の出力電力を P′o〔W〕、被測定アンテナの入力端子からの反射電力を P′ref〔W〕とすると、放射効率 η は、次式で求められる。ただし、送信機と被測定アンテナ間の給電線の損失はないものとする。  η = {Po - Pref - (P′o - P′ref)}/(Po - Pref) ・・・・・・①  Po = P′o のとき、η は、式①より次式のようになる。  η = {(P′ref/P′o) - (Pref/Po)}/[ エ ] ・・・・・・②  金属の箱をかぶせないときの電圧反射係数を |Γ|、かぶせたときの電圧反射係数を |Γ′| とすると、η は、式②より、η = [ オ ]となり電圧反射係数から求められる。ただし、|Γ′|≧|Γ| が成り立つ範囲で求められる。

〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。

1 実数部  2 Rr + Rl  3 1 - (Rin/R′in)  4 1 - (Pref/Po)  5 (|Γ′|² - |Γ|²)/(1 - |Γ|²) 6 虚数部  7 Rr - Rl  8 1 - (R′in/Rin)  9 1 - (Po/Pref)  10 (|Γ′| - |Γ|)/(1 - |Γ|)

〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。

Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)

図の説明(Wavelane 独自・原文には含まれません): Wheeler cap 法の構成。平らな地板の中央に小形の被測定アンテナがあり、地板の下から同軸給電線で給電されている。その上方に直方体の金属の箱があり、矢印で地板の上へかぶせて隙間なく密閉する向きが示されている。

出典: 令和3年7月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB308)B-5(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

ア〜オそれぞれに入る語を、上の原文の語群番号から選ぶ
ア
イ
ウ
エ
オ
解かずに正答と解説を見る

正答: ア 1/イ 2/ウ 8/エ 4/オ 5

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

小さなアンテナに金属のふたをかぶせると放射が止まり、入力抵抗には損失分だけが残る。ふたの有無で測った抵抗、または反射の大きさの差から放射効率が出る。

ア: 解答 1(実数部)
放射も損失も電力を消費するので、入力インピーダンスの抵抗分、つまり実数部に現れる。虚数部は電力を消費しないリアクタンスである。
イ: 解答 2(Rr + Rl)
ふたを外すとアンテナは放射するので、損失抵抗に放射抵抗が直列に加わる。電流が同じなら、それぞれの抵抗で消費される電力が足し合わされる。
ウ: 解答 8(1 - (R′in/Rin))
放射効率は Rr/(Rr+Rl) である。Rin = Rr+Rl、R′in = Rl を入れると (Rin−R′in)/Rin、すなわち 1 から2つの比を引いた形になる。比を逆にすると1より大きな値の補数になり、効率が負になる。
エ: 解答 4(1 - (Pref/Po))
①の分母 Po−Pref を Po で割ると、1 から反射電力の割合を引いた形になる。分子も同じく Po で割ってあるので、式②の分母はこれである。
オ: 解答 5((|Γ′|² - |Γ|²)/(1 - |Γ|²))
反射電力の割合は電圧反射係数の2乗に等しい。②の Pref/Po を |Γ|²、P′ref/P′o を |Γ′|² に置き換えるので、2乗の形の候補になる。

ア〜オの解答は 1・2・8・4・5 である。

つまずきやすい点

  • 電力の比は電圧反射係数の2乗である。2乗を付けない候補は、電圧と電力を取り違えている。
  • ふたをかぶせたときの値が損失抵抗、外したときの値が放射抵抗と損失抵抗の和である。どちらが分子に来るかを効率の定義から確かめる。