一陸技|無線工学B|過去問
令和3年1月期 第2回 A-7
要点(wavelane の要約): 多数の送信機を1本のアンテナへまとめる装置について、防ぎたい混変調の呼び名、送信機どうしを切り離す量の呼び名、分岐点から各フィルタまでの線路長を波長の何分の1の奇数倍に選ぶかを組合せで答えさせる問題。
原文(公式問題文)
A-7 次の記述は、図に示す帯域フィルタ(BPF)を用いた送信アンテナ共用装置について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) 移動体通信などの1つの基地局に多数の無線チャネルが用いられ多数の送信アンテナが設置される場合、送信電波の [ A ] 変調を防止するため、送信アンテナ相互間で所要の [ B ] を得る必要がある。この [ B ] は、アンテナを垂直又は水平に、一定の間隔をおいて配置することにより得られるが、送信アンテナの数が多くなると広い場所が必要になるため、送信アンテナ共用装置が用いられることが多い。 (2) 1つの送信機出力は、サーキュレータとその送信周波数の帯域フィルタを通ってアンテナに向かう。他の送信機に対しては、分岐結合回路の分岐点から各帯域フィルタまでの線路の長さを送信波長の [ C ] の奇数倍とし、先端を短絡した [ C ] 波長の奇数倍の長さの給電線と同じ働きになるようにして、分岐点から見たインピーダンスが無限大になるようにしている。 (3) しかし、一般に分岐点から見たインピーダンスが無限大になることはないので、他の 3 つの送信周波数のそれぞれの帯域フィルタのみでは十分な [ B ] が得られない。このため、さらにサーキュレータの吸収抵抗で消費させ、他の送信機への回り込みによる再放射を防いでいる。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C 1 過 耐電力 1/4 2 過 結合減衰量 1/3 3 相互 結合減衰量 1/3 4 相互 耐電力 1/3 5 相互 結合減衰量 1/4
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和3年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB302)A-7(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 5
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
多数の送信機を1本のアンテナへまとめる装置を3か所で問う。防ぎたい現象の呼び名、送信機どうしを切り離す量の呼び名、枝の長さを波長の何分の1の奇数倍にするかが順に決まる。
- 空欄 A: 相互
- 複数の送信波が同じ増幅器やアンテナ系へ回り込むと、素子の非直線性によって互いの周波数が混じった成分が生まれ、別のチャネルへ落ちてくる。2つ以上の波が関わって起きる現象の呼び名である。
- 空欄 B: 結合減衰量
- 送信機どうしがどれだけ切り離されているかを表す量で、アンテナを離して置く方法でも共用装置でも確保したいのはこの量である。耐えられる電力は装置の定格の話で、切り離しの度合いではない。
- 空欄 C: 1/4
- 先端を短絡した線路は、4分の1波長の奇数倍の位置から見るとインピーダンスが無限大になる。分岐点から各フィルタまでをこの長さにそろえれば、他の送信周波数から見た枝は開放と同じに見える。
この組合せになっているのは選択肢 5 である。
つまずきやすい点
- 短絡した線路が開放のように見えるのは、4分の1波長の奇数倍のときだけである。半波長では短絡のまま見える。
- 同じ記号の空欄が(1)と(3)の両方にある。両方の文脈に当てはまる語を選ぶ。
- フィルタだけでは切り離しが足りないので、サーキュレータの吸収抵抗で残りを熱にする。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路送信アンテナ共用装置・サーキュレータ・結合減衰量・相互変調・短絡給電線(短絡スタブ)の入力インピーダンス
- 給電線と整合回路短絡給電線(短絡スタブ)の入力インピーダンス