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wavelane

一陸技|無線工学B|過去問

令和3年1月期 第2回 A-1

要点(wavelane の要約): 電界の波動方程式を1方向だけの変化に絞って解き、指数の符号から進む向きを読み、波長と等位相面の速さを材料定数で表すまでを組合せで答えさせる問題。1方向に絞ったときに残る微分の階数と、根号が分母に来るか分子に来るかが分かれ目になる。

FB302 A-15点(1問1採点)

原文(公式問題文)

A-1 次の記述は、自由空間内の平面波を波動方程式から導出する過程について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、自由空間の誘電率を ε0〔F/m〕、透磁率を μ0〔H/m〕及び時間を t〔s〕として、電界 E〔V/m〕が角周波数 ω〔rad/s〕で正弦的に変化しているものとする。 (1) E については、以下の波動方程式が成立する。ここで、k² = ω²μ0ε0 とする。  ∇²E + k²E = 0 ・・・・・・① (2) 直角座標系(x,y,z)で、E が y だけの関数とすると、式①より、以下の式が得られる。  [ A ] + k²Ez = 0 ・・・・・・② (3) 式②の解は、M、N を境界条件によって定まる定数とすると、次式で表される。  Ez = Me^(−jky) + Ne^(+jky) ・・・・・・③ (4) 以下、式③の右辺の第1項で表される[ B ]のみを考える。ky が 2π の値をとるごとに同一の変化が繰り返されるから、ky = 2π を満たす y が波長 λ となる。すなわち、周波数を f〔Hz〕とすると、λ = [ C ]〔m〕となる。 (5) 式③の右辺の第1項に時間項 e^(jωt) を掛けると、Ez は、次式で表される。  Ez = Me^(j(ωt−ky)) ・・・・・・④ (6) 式④より、Ez の等位相面を表す式は、定数を K とおくと、次式で与えられる。  ωt − ky = K ・・・・・・⑤ (7) 式⑤の両辺を時間 t について微分すると、等位相面の進む速度、すなわち、電波の速度 v は以下のように表される。  v = dy/dt = ω/k = [ D ]〔m/s〕   A      B     C        D 1 d²Ez/dy²  前進波   1/(f√(μ0ε0))  1/√(μ0ε0) 2 d²Ez/dy²  後退波   √(μ0ε0)/f    √(μ0ε0) 3 d²Ez/dy²  前進波   1/(f√(μ0ε0))  √(μ0ε0) 4 dEz/dy   前進波   1/(f√(μ0ε0))  1/√(μ0ε0) 5 dEz/dy   後退波   √(μ0ε0)/f    √(μ0ε0)

出典: 令和3年1月期 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB302)A-1(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会

正しい組合せの番号を1つ選ぶ(番号は上の原文の選択肢に対応します)
解かずに正答と解説を見る

正答: 1

要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。

wavelane の解説(公式の解説ではありません)

波動方程式から平面波を取り出す道すじを4つの空欄で追う。1方向だけに絞ったときの微分、指数の符号と進む向き、そして波長と速さの表し方が順に決まる。

空欄 A: d²Ez/dy²
ラプラシアンは各方向の2階微分の和である。電界が y だけの関数なら x と z の微分は零になり、y についての2階微分だけが残る。1階微分では k² の項と次元がそろわず、波動方程式の形にならない。
空欄 B: 前進波
時間項を掛けたあとの位相は ωt − ky である。時間が進んでも位相を同じに保つには y も増えなければならないので、この項は y の正の向きへ進む波を表す。指数の符号が逆の第2項は反対向きへ進む。
空欄 C: 1/(f√(μ0ε0))
ky が 2π になる y が波長なので λ = 2π/k である。k = 2πf√(μ0ε0) を入れると 2π が約分され、周波数が分母に来る形が残る。周波数が分子に来る形では、周波数が高いほど波長が長いという誤った関係になる。
空欄 D: 1/√(μ0ε0)
等位相面の式を時間で微分すると速度は ω/k になる。k = ω√(μ0ε0) を入れると ω が消え、真空中の光速にあたる値が残る。根が分子に来る形では速度の逆数になってしまう。

この組合せになっているのは選択肢 1 である。

つまずきやすい点

  • 1方向だけの関数にしても微分の階数は2のままである。ラプラシアンが1階微分に変わるわけではない。
  • 1/√(μ0ε0) は約 3×10⁸ m/s、√(μ0ε0) はその逆数である。根が分母に来るか分子に来るかは単位で確かめれば迷わない。