一陸技|無線工学B|過去問
令和3年1月期 第1回 B-3
要点(wavelane の要約): 導波管の壁に傾きを交互に変えた細長い孔を並べたアンテナについて、管壁電流の向き、電界分布が反転する間隔、各孔から出る波の向き、打ち消される成分と残る偏波を語群から選ばせる問題。FB707 B-3 と同じ設問で、語群の並びだけが違う。
原文(公式問題文)
B-3 次の記述は、図に示すスロットアレーアンテナから放射される電波の偏波について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、スロットアレーアンテナは xy 面に平行な面を大地に平行に置かれ、管内には TE10 モードの電磁波が伝搬しているものとし、管内波長は λg〔m〕とする。また、λg/2〔m〕の間隔で交互に傾斜方向を変えてスロットがあけられているものとする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) yz 面に平行な管壁には z 軸に[ ア ]な電流が流れており、スロットはこの電流の流れを妨げるので、電波を放射する。 (2) 管内における y 軸方向の電界分布は、管内波長の[ イ ]の間隔で反転しているので、管壁に流れる電流の方向も同じ間隔で反転している。交互に傾斜角の方向が変わるように開けられた各スロットから放射される電波の[ ウ ]の方向は、各スロットに垂直な方向となる。 (3) 隣り合う二つのスロットから放射された電波の電界をそれぞれ y 成分と z 成分に分解すると、[ エ ]は互いに逆向きであるが、もう一方の成分は同じ向きになる。このため、[ エ ]が打ち消され、もう一方の成分は加え合わされるので、偏波は[ オ ]。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
1 平行 2 1/4 3 磁界 4 z 成分 5 水平偏波となる 6 垂直 7 1/2 8 電界 9 y 成分 10 垂直偏波となる
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和3年1月期 第1回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB301)B-3(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: ア 1/イ 7/ウ 8/エ 4/オ 5
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
傾きを交互に変えて並べた穴から出る電波の偏波を追う。2つの反転が重なって片方の成分だけがそろうことが要点で、穴の間隔が管内波長の半分であることがその前提になる。
- ア: 解答 1(平行)
- 広い壁が水平、狭い壁が垂直に立つ置き方である。最も低いモードでは電界が上下を向くので、垂直に立った狭い壁の内面には上下向き、すなわち縦の座標軸に沿う向きの電流が流れる。
- イ: 解答 7(1/2)
- 管の中を進む波は管内波長ごとに位相が1周し、符号が入れ替わるのはその半分ごとである。穴の間隔がちょうどこの長さなのは、電流の反転を穴の傾きの反転と組み合わせるためである。
- ウ: 解答 8(電界)
- 細長い穴から出る電波は、穴の長手方向と直角を向く電界を持つ。磁界のほうは穴に沿う向きになる。
- エ: 解答 4(z 成分)
- 隣り合う穴は傾きが逆で、しかも半管内波長ぶん離れているので管壁の電流の向きも逆である。2つの反転を重ねると、上下向きの成分だけが互いに逆を向き、管軸に沿う成分は同じ向きにそろう。
- オ: 解答 5(水平偏波となる)
- 残るのは管軸に沿う成分である。管は大地に平行に置かれているので、この向きは水平になり、放射される電波は水平偏波になる。
ア〜オの解答は 1・7・8・4・5 である。
つまずきやすい点
- 穴が電波を出すのは、管壁を流れる電流を横切って流れを妨げるからである。電流に沿って切った穴は放射しない。
- 反転は2つある。管内の位相が半管内波長ごとに反転することと、穴の傾きが交互に変わること。片方だけでは打ち消しは起きない。
理由から確かめる
- 電磁界の続論とマイクロ波回路円偏波・管内波長・スロットアレーアンテナ・導波管の伝送モード
- 導波管・遮断周波数管内波長・導波管の伝送モード
- アンテナ方式図鑑円偏波