一陸技|無線工学B|過去問
令和2年11月臨時 第2回 A-16
要点(wavelane の要約): 電子密度が高さとともに増える層へ下から入った電波について、密度が最も高い所での屈折率の大小、薄い層の境界で成り立つ屈折の法則の比、入射角と屈折角の大小を組合せで問い、電波が地上へ曲げ戻される理由を確かめる問題。
原文(公式問題文)
A-16 次の記述は、電離層における電波の反射機構について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 電離層の電子密度 N の分布は、高さと共に徐々に増加し、ある高さで最大となり、それ以上の高さでは徐々に減少している。N が零のとき、電波の屈折率 n はほぼ 1 であり、N が最大のとき、n は[ A ]となる。 (2) N が高さと共に徐々に増加している電離層内の N が異なる隣接した二つの水平な層を考え、地上からの電波が層の境界へ入射するとき、下の層の屈折率を ni、上の層の屈折率を nr、入射角を i、屈折角を r とすれば、nr は、nr = ni ×[ B ]で表される。 (3) このときの r は i より[ C ]ので、N が十分大きいとき、電離層に入射した電波は、高さと共に徐々に下に向かって曲げられ、やがて地上に戻ってくることになる。 A B C 1 最大 sin r/sin i 大きい 2 最大 cos i/cos r 小さい 3 最大 sin i/sin r 大きい 4 最小 sin i/sin r 大きい 5 最小 sin r/sin i 小さい
出典: 令和2年11月臨時 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB212)A-16(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 4
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
電子密度が高いほど屈折率が小さくなる電離層を、薄い層の重なりとして屈折の法則を当てはめる。上の層ほど屈折率が小さいので、電波は少しずつ寝ていって下へ戻る。
- 空欄 A: 最小
- 電離層の屈折率は n=√(1−81N/f²) の形で、電子密度が大きいほど小さくなる。密度が最大の所で屈折率は最小になる。
- 空欄 B: sin i/sin r
- 境界の両側で n sin(角度) が等しいので、ni sin i=nr sin r から nr は ni に sin i/sin r を掛けた値になる。
- 空欄 C: 大きい
- 上の層ほど屈折率が小さいので、sin r は sin i より大きくなり、屈折角は入射角より大きい。層を上るたびに角度が開き、やがて水平を越えて下へ曲がる。
この組合せになっているのは選択肢 4 である。
つまずきやすい点
- 電子密度が大きいほど屈折率は小さい。光が濃い媒質で屈折率が大きくなるのとは向きが逆である。
理由から確かめる
- 伝搬の特論電子密度・電離層内の屈折・反射・屈折率・スネルの法則(屈折の法則)
- 電離層伝搬(MUF・跳躍距離)電子密度・電離層内の屈折・反射・屈折率・スネルの法則(屈折の法則)
- マクスウェルの方程式 徹底解説屈折率・スネルの法則(屈折の法則)