一陸技|無線工学B|過去問
令和2年11月臨時 第2回 A-10
要点(wavelane の要約): 縦に段積みした共軸アレー、扇形ホーン、スリーブアンテナ、対数周期アレー、ブラウンアンテナの5種類について構造と給電の特徴を並べ、ホーンの開き角と利得の関係を一方向にだけ増えると述べた記述を選ばせる問題。
原文(公式問題文)
A-10 次の記述は、各種アンテナの特徴などについて述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。 1 半波長ダイポールアンテナを垂直方向の一直線上に等間隔に多段接続した構造のコーリニアアレーアンテナは、隣り合う各放射素子を互いに同振幅、同位相で励振する。 2 扇形ホーンアンテナのホーンの長さを一定にしたまま、ホーンの開き角を大きくすればするほど扇形ホーンアンテナの利得は大きくなる。 3 スリーブアンテナのスリーブの長さは、約 1/4 波長である。 4 対数周期ダイポールアレーアンテナは、隣り合うアンテナ素子の長さの比及び各アンテナ素子の先端を結ぶ 2 本の直線の交点(頂点)から隣り合うアンテナ素子までの距離の比を一定とし、隣り合うアンテナ素子ごとに逆位相で給電する広帯域アンテナである。 5 ブラウンアンテナの放射素子と地線の長さは共に約 1/4 波長であり、地線は同軸給電線の外部導体と接続されている。
出典: 令和2年11月臨時 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB212)A-10(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
5種類のアンテナの構造と給電の特徴を問う。ホーンは長さを固定したまま開き角を広げると開口の位相が乱れ、利得には最適な開き角があることが分かれ目になる。
選択肢 1— 答えではない
半波長素子を縦に一直線に積み、すべて同じ振幅・同じ位相で励振すると、水平方向で各素子の放射が同位相で重なり、垂直面内のビームが鋭くなる。正しい。
選択肢 2◎ これが答え
誤っている。長さが一定のまま開き角だけを広げると、頂点から開口の中央と縁までの距離の差が大きくなり、開口面の位相が中央と縁でずれる。開口が広がる効果をこの位相の乱れが打ち消すので、利得が最大になる開き角があり、それを超えると利得は下がる。
選択肢 3— 答えではない
スリーブは同軸線路の外側にかぶせた筒で、その長さを約4分の1波長にして、上の放射素子と合わせて半波長ダイポールとして働かせる。正しい。
選択肢 4— 答えではない
対数周期形は素子の長さと頂点からの距離の比を一定に保ち、隣り合う素子を交互に逆位相で給電する。周波数に応じて働く素子が移るので広帯域になる。正しい。
選択肢 5— 答えではない
ブラウンアンテナは約4分の1波長の放射素子と、同じ長さの地線(ラジアル)からなり、地線は同軸線路の外部導体につながって大地の代わりをする。正しい。
正答は選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- 開口が大きいほど利得が大きいのは、開口面の位相がそろっている場合だけである。ホーンは長さとの兼ね合いで最適な開き角が決まる。
- スリーブとブラウンの地線はどちらも約4分の1波長である。半波長と取り違えない。