一陸技|無線工学B|過去問
令和2年11月臨時 第2回 A-8
要点(wavelane の要約): 基板上の帯状導体と裏面の接地面からなる平面線路について、放射を抑える基板の選び方、近似的に扱える伝送モード、帯状導体の幅と特性インピーダンスの大小関係を組合せで問う問題。
原文(公式問題文)
A-8 次の記述は、図に示すマイクロストリップ線路について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 開放線路の一種であるので、外部雑音の影響や放射損がある。放射損を少なくするために、比誘電率の[ A ]誘電体基板を用いる。 (2) 伝送モードは、通常、ほぼ[ B ]モードとして扱うことができる。 (3) 誘電体基板の比誘電率並びにストリップ導体及び誘電体基板の厚さが変わらないとき、特性インピーダンスは、ストリップ導体の幅 W〔m〕が[ C ]なるほど高くなる。
〔図省略〕の位置 — wavelane による再現図(公式図版ではありません)。図の説明は引用の下にあります。
A B C 1 大きい TE 広く 2 大きい TEM 狭く 3 大きい TM 広く 4 小さい TE 狭く 5 小さい TEM 狭く
〔図省略〕は Wavelane による編集注で、公式図版があった位置を示します。その位置には Wavelane が描いた再現図を差し込んでいます(公式図版ではありません)。図の説明は下の図カードにあります。
Wavelane が原図をもとに描いた模式図(公式図版ではありません)
出典: 令和2年11月臨時 第2回 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB212)A-8(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
解かずに正答と解説を見る
正答: 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
基板の上に帯状の導体を置いた平面線路の性質を問う。比誘電率の高い基板ほど電界が基板内に閉じ込められ、導体の幅が狭いほど単位長の容量が小さくなってインピーダンスが上がる。
- 空欄 A: 大きい
- 比誘電率が高い基板ほど、電界が帯状導体と接地面の間の基板内に集中し、外へ漏れて放射する分が減る。
- 空欄 B: TEM
- 電界の一部は空気中を通るので厳密な TEM ではないが、低い周波数では進行方向の成分が小さく、ほぼ TEM(準TEM)として扱える。
- 空欄 C: 狭く
- 帯状導体の幅が狭いほど、接地面との間の単位長あたりの容量が小さくなる。特性インピーダンスは √(L/C) なので高くなる。
この組合せになっているのは選択肢 2 である。
つまずきやすい点
- TE・TM は導波管の中のモードである。2本の導体がある線路の基本は TEM 系の波である。
- 幅が広いほど容量が増えてインピーダンスは下がる。広く・高くの組合せは向きが逆である。
理由から確かめる
- 給電線と整合回路特性インピーダンス・マイクロストリップ線路・比誘電率・TEM波
- アンテナ・電波測定の基礎特性インピーダンス・比誘電率
- 複素数と複素インピーダンス 徹底入門特性インピーダンス