一陸技|無線工学B|過去問
令和2年1月期 B-4
要点(wavelane の要約): 地上と衛星を結ぶ回線について、大気の屈折率の変動が起こす現象、晴天時の大気の減衰と仰角の関係、電離圏の減衰が無視できる周波数、電離圏で生じる短周期の変動の呼び名、電離圏の屈折率と周波数の関係を、記述ごとに正誤で答えさせる問題。
原文(公式問題文)
B-4 次の記述は、地上と衛星間の電波伝搬における対流圏及び電離圏の影響について述べたものである。このうち正しいものを 1、誤っているものを 2 として解答せよ。 ア 大気の屈折率は、常時変動しているので電波の到来方向もそれに応じて変動し、シンチレーションの原因となる。 イ 大気による減衰は、晴天時の水滴を含まない大気の場合には衛星の仰角が低いほど小さくなる。 ウ 電離圏による減衰は、超短波(VHF)帯の高い方の周波数以上ではほとんど無視できる。 エ 電波が電離圏を通過する際、その振幅、位相などに短周期の不規則な変動を生ずる場合があり、これを電離圏シンチレーションという。 オ 電離圏の屈折率は、周波数が低くなると 1 に近づく。
出典: 令和2年1月期 第一級陸上無線技術士「無線工学B」(FB201)B-4(本試験問題)。公益財団法人日本無線協会
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正答: ア 1/イ 2/ウ 1/エ 1/オ 2
要確認: この正答と解説は、公式解答表との機械的な照合は済んでいますが、人による照合はまだです。 公式と食い違って見えるときは、出典の解答PDFを優先し、サポートからお知らせください。
wavelane の解説(公式の解説ではありません)
地上と衛星の間の伝搬で、対流圏と電離圏が与える影響を記述ごとに判定する。低い仰角ほど大気の中を長く通ること、電離圏の屈折率は周波数が高いほど1に近いことが分かれ目になる。
- ア: 解答 1(正しい)
- 正しい。大気の屈折率は温度や湿度で絶えずゆらぐので、電波の曲がり方も変わり、到来方向が細かく揺れる。これが対流圏シンチレーションになる。
- イ: 解答 2(誤っている)
- 誤っている。仰角が低いほど電波は大気層を斜めに長く通るので、晴天時でも減衰は大きくなる。大気層の厚さを仰角の正弦で割った長さが目安である。
- ウ: 解答 1(正しい)
- 正しい。電離圏の減衰は周波数の2乗にほぼ反比例するので、VHF帯の上のほうより高い周波数ではほとんど問題にならない。
- エ: 解答 1(正しい)
- 正しい。電離圏の電子密度が不規則にゆらぐと、通過する電波の振幅や位相が短い周期で乱れる。これを電離圏シンチレーションと呼ぶ。
- オ: 解答 2(誤っている)
- 誤っている。電離圏の屈折率は √(1−81N/f²) で、周波数が高くなるほど1に近づく。低くなると1から離れ、やがて反射される。
ア〜オの解答は 1・2・1・1・2 である。
つまずきやすい点
- オの向きは屈折率の式で確かめる。f が分母にあるので、f が大きいほど 81N/f² は小さくなる。
- イは雨の有無に関係なく成り立つ。晴天だから仰角によらない、とは言えない。
理由から確かめる
- 伝搬の特論大気ガスによる吸収・減衰・電子密度・電離圏による減衰・屈折率・地上・衛星間回線・シンチレーション
- 電離層伝搬(MUF・跳躍距離)電子密度・屈折率
- 電波の見通し距離屈折率